Joey

ザ・ピーナッツバター・ファルコンのJoeyのレビュー・感想・評価

4.0
昔々、テレビのゴールデンタイムにプロレスが中継されていた。馬場率いる全日は日本テレビ、猪木の新日はテレビ朝日で古舘伊知郎付き。プロレスを語る時の古舘は今でも熱い。新日派が多かったけど、現役を貫く馬場も根強い人気があった。八百長とは言うなかれ。最高のエンタメだ。たけしが漫才のネタにしていたけど、愛すべき巨人だった。馬場は飛行機にはうつ伏せになって乗り、両手は翼の中だったらしい。

10年以上も前になるけど、高輪プリンスホテルにアメリカ人の友人を迎えに行った。エレベーターが混んでいたので階段を使った。階段を降りた踊り場に若い女性と話し込んでいる猪木がいた。「あっ」とちょっとビックリしたら、猪木は笑顔で返してくれた。軽く会釈をして通り過ぎた。一緒にいたアメリカ人が「今の誰?」と聞いてきたので「猪木だよ。アリと戦った猪木だよ」「お〜!あれが猪木か!」なんか誇らしかった。

ザックが立ち向かう絶望的な現実には、一緒に闘うヒーローが必要だ。ソルト・ウォーター・レッドネックは絶対的なヒーロー。いつだって、そんな自分のヒーローが助けてくれる。ヒーローは負けない。いや、勝つまで挑み続ける。今夜だけは自分もヒーローとボウイは歌ったけど、あの日のザックは正しくヒーローだった。カッコイイぞ、ザック。馬場も猪木も涙したに違いない。
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