もものけ

L.A.スクワッドのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

L.A.スクワッド(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

LAに暮らす幸せな家庭と家族に囲まれたデヴィッドは、街の税金徴収の仕事に励む忠実な男。
相棒のクリーパーと共に各地を周り少しも金が足りなくないか、完璧に仕事をこなすやり手のデヴィッド。
何故なら彼はウィザードと呼ばれる街の大物ギャングのボスの部下だからなのだった…。


感想。
超傑作「トレーニング・デイ」「ワイルド・スピード」の脚本家で、「エンド・オブ・ウォッチ」「サボタージュ」「フェイクシティ」など骨太ハードボイルドの監督であるデヴィッド・エアー監督の最新作。
黒人やラテンアメリカが入り乱れるロサンゼルスの闇社会を舞台にした作品が多く、凶悪な犯罪者のスリリングな展開に、甘いラブストーリーを添え物と入れつつ、恐ろしい状況に発展してゆくストーリーが面白い監督であり大好きな作品ばかり撮影してくれます。

幸せで美人の妻とイチャイチャしながら迎える朝から始まる物語が、次第に不穏な空気にさらされてゆく展開はデヴィッド・エアー監督のお箱で、今作品でも冒頭から家族の日常からスタートして、普通のドラマのように見えますが、突然怪しげなシャイア・ラブーフ演じるクリーパーの出で立ちから闇社会の住人であることが分かる展開になり、一気に物語が加速してゆきます。
良い人役が多いシャイア・ラブーフが、LAギャングの危ない雰囲気バリバリの男を演じていて、新しい演技が印象的です。

とはいえ新興勢力が台頭してきますが、宗教的儀式で力を鼓舞する割と普通の設定で、次々と仲間が殺されてゆく過程もあっさりで、デヴィッド・エアー監督の残酷描写がヴァイオレンスとしてあまり活かされておらず、ビデオスルーされたのが納得してしまうほど、テレビドラマ程度のありきたりさがイマイチでした。
他の作品が超傑作過ぎたので、ネタ切れなのか、製作費が低く短時間で撮影しなくてはならなかったのか、監督の才能が全く活かされておらずガッカリな面もあります。
批評家からも「素材から面白さを引っ張り出すことに失敗している」とあり、たしかにワクワクさせるギャング物なのに、あまりスリリングさがなく、端折った展開なんかで安上がりのテレビドラマ程度でございます。

デヴィッド・エアー監督のファンなので最後まで鑑賞できましたが、それなりだったので監督へ敬意を込めただけの3点を付けさせていただきました。

どうしちゃったんだデヴィッド・エアー監督、次回作に期待!!
あと「スーサイド・スクワッド」を撮影したからって"スクワッド"ってタイトルつける安易な配給会社に減点です。
もものけ

もものけ