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ジョジョ・ラビットのkazu1961のレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.5
▪️Title :「ジョジョ・ラビット」
Original Title :「Jojo Rabbit」
▪️Release Date:2020/01/17
▪️Production Country: アメリカ
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2020-025
▪️My Review
素晴らしい作品でした!!こんなにユニークなブラックコメディなのに、最後は泣けました。ユーモアと希望に満ち溢れた秀作でした。期待して観たら大正解。心をがっつりと掴まれました。
ナチズムに傾倒したジョジョの抱く小さな恋心は、やがて今までの狂信が妄信なのだと悟らせてゆきます。恋心はけっして世界を救えるわけではないけれど、真心と寛容な心をひとりの人間にもたらすんですね。ラストのジョジョには大人の?色気さえ漂う!カッコいい!ですよね。サム・ロックウェル演じる教官、そしてワイティティ監督もやっぱり最高です!
戦争への辛口のユーモアをきかせたハートフルなコメディの形をとりながら、困難の中にあっても輝く希望と生きる喜びをビートルズ、デヴィッド・ボウイ、トム・ウェイツらの名曲にのせて力強く謳い上げ、笑い涙することができるほんと、見事な秀作でした。
そして、本作、作品賞・助演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)の主要2部門をはじめ、脚色賞・編集賞・美術賞・衣裳デザイン賞と見事6部門にノミネートされました!!
ジョジョ役には、何か月も続いていたオーディションを一瞬で終わらせたという、ローマン・グリフィン・デイビス。愛くるしいヴィジュアルに、これが映画初出演というナチュラルな初々しさと、激しく心を打つ天才的な演技力をあわせもっています。ナチスは国を救うヒーロー集団だと洗脳されていたドイツの典型的な少年だったジョジョが、ユダヤ人少女との交流から変わっていく姿をエモーショナルに演じきっています。母親ロージーには、ハリウッドのトップスター、スカーレット・ヨハンソン。戦時下でも、おしゃれを楽しみ、ダンスを踊り、豊かで人間らしい暮らしが戻ってくることを切に願うロージーを、強く美しく艶やかに演じました。ジョジョの人生を大きく変えるユダヤ人少女エルサには、ニュージーランド出身の若手女優で、自国のTVシリーズへの出演で数々の賞に輝くトーマシン・マッケンジー。クールでシニカルなエルサが、本当のカッコよさとは何かをジョジョに教えていく姿が爽快だですね。ナチスのクレンツェンドルフ大尉役には、『スリー・ビルボード』でアカデミー賞を受賞したサム・ロックウェル。熱烈なヒトラー信奉者かと思いきや、ドイツの敗戦を予測するアウトローな大尉を、破天荒かつダイナミックに演じています。
そして、監督、脚本を手掛け、ジョジョの想像上の友達アドルフ・ヒトラー役まで全うし、恐るべき才能を発揮したのは、ニュージーランド出身のタイカ・ワイティティ。『マイティ・ソー バトルロイヤル』でのアクションとユーモアを絶妙なバランスで配したストーリーテリングで熱狂的な人気を獲得しましたね。凄い!!
今までの映画に全くないアイデアと、超リアルなのにファンタジックな描写が織りなす秀逸の誕生ですね!!

▪️Overview
「マイティ・ソー バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティ監督が第2次世界大戦時のドイツに生きる人びとの姿を、ユーモアを交えて描き、第44回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞した人間ドラマ。第2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、空想上の友だちであるアドルフの助けを借りながら、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。しかし、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかいの対象となってしまう。母親とふたりで暮らすジョジョは、ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまう。それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女だった。主人公のジョジョ役をローマン・グリフィン・デイビス、母親役をスカーレット・ヨハンソン、教官のクレツェンドルフ大尉役をサム・ロックウェルがそれぞれ演じ、俳優でもあるワイティティ監督が、ジョジョの空想の友だちであるアドルフ・ヒトラーに扮した。
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