ましゅー

ジョジョ・ラビットのましゅーのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
3.9
今週末劇場鑑賞で観たかった3本め、本日のこちらで完遂。その他シネコン3館とのスケジュールと、ポイントカード会員感謝の日割引との照合の結果、久々のニコタマです。
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私、この映画を少し軽く見てました。

空想のヒトラーがお友達の、まだ何も世の中が解らずナチスに憧れる10歳のジョジョ少年がドタバタ喜劇で右往左往する、ちょっとだけハートフルなブラックコメディかと。
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いやいや、どうしてどうして。

存外に重くシリアスな場面・シチュエーションも多々の、単純な一ジャンルに分類不可能、重層的な佳作でした。
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物語当初こそナチスのいびつさを嘲笑うだけのブラックなコメディ色が強かったですが

・ユダヤ人少女の存在とジョジョとの交流
・母が繰り返す「愛」という言葉と準じた行い

による彼の心の揺れ動きに(相変わらず空想のヒトラーとのやり取りは続きますが)「ん?これは何か違うぞ?」と思い始め
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・秘密警察の突然の家宅捜索

でのただ事ではない緊張感、そして
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・最大の衝撃「見慣れた靴」
・終盤の爆撃・砲撃が落ち着いた後の「彼」の
男気と人間性の表出
(その前の家宅捜索の時にもありましたね…)
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には、完全に私自身の心までも揺れ動かされ、その驚きとじわりと来る感動が止められなかったのです。
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ご覧になってない方には何を言ってるのか、よく分からないとは思いますが、この作品こそ「百聞は一見に如かず」との諺がしっくり来るんじゃないでしょうか。
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最近認識したサム・ロックウェルの人気もさもありなん、の好い人振りも良かったですし、スカーレット・ヨハンソンの堂々たる演技も惚れ惚れします。もちろん見事にこの難しい主役を演じきったローマン・グリフィス・デイビスくんも拍手喝采もの。

何より監督タイカ・ワイティティ。相当の手練れと見受けました。今後も期待です。
ましゅー

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