Joey

ジョジョ・ラビットのJoeyのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.5
全てを経験しなさいとは言うけれど、絶望の先には何が待っているのだろう。経験していない事は沢山ある。山ほどある。経験した事よりも、経験していない事の方が遥かに多い。例えば、お腹の中で蝶々が舞い、蝶々を操るあの娘と一緒にボウイのヒーローズに合わせて踊る、とか。

まだ、そんな経験はないから、まだまだ私はヒヨッコだ。これを目標にするのならば、絶望なんて感じている暇はない。この映画には99の絶望があって、1の希望しかない。でも、その小さな希望だけに包まれているような、絶望なんて何処にもないような気にさせてくれる。

日本と他のアジア諸国の関係がそうであるように、ドイツと他のヨーロッパ諸国との関係は半永久的に修復されることはないのだろう。ヒトラーは悪の象徴として、我々の記憶に刻まれ続ける。遺伝子レベルで刻まれている。そんなリーダーを持ってしまった国で、このような映画は受け入れられるのだろうか。ドイツ国民も救ってあげたい。屋根裏の彼女に出会って、彼らの蝶々も舞ってくれるといいな。
Joey

Joey