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新聞記者のtetsuのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
3.7
『iー新聞記者ドキュメントー』をはしごできる素晴らしいタイムスケジュールを組んでくれた第七藝術劇場さん&十三シアターセブンさんのおかげで連続鑑賞。

新聞記者・吉岡と内閣情報調査室の官僚・杉原。図らずも国家権力の闇にぶつかった彼らは、運命の巡り合わせで遭遇。共に政府の闇に立ち向かうことを決意するが...。

正直、『iー新聞記者ドキュメントー』を観ていなければ、魅力が半減していた作品だった。
それほどまでに2作品は密接に関わっていて、まるで表と裏のような関係の様にも思った。

例えば『i...』で繰り返し登場する議事堂前の通路が登場したり、実際に原作者&ヒロインのモデルである望月さん(とその関係者)が登場したりと、現実(=ドキュメンタリー)の映像と虚構(=本作)の映像の一致が、なんとも不思議な感覚を覚えさせられる体験だった。

一方で、本作では実際の問題とは違う部分、また、現実の問題をかなり誇張して描いている側面もあり、作り手が「現実との差異」において何を伝えようとしているのかを意識させられる作品だった。
(そのため、政治的な部分では、かなり好き嫌いが別れる作品のようにも思う。)

物語の終幕は、もっと振りきって欲しかったような気もするが、その点に関しては、藤井監督の過去作を追った上で、改めて評価したいとも感じた。
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