「年納めのレビュー」
皆さん、気が付けばもう年の瀬となってしまいました。思えば映画ばかり観ていた一年間でしたが皆さんは今年は良い映画と出会う事ができましたか?次々と起こる劇場の閉鎖、サブスクの台頭、映画の価値観というものが変わって行く昨今ですが、映画は映画!面白いものには変わりない!という思いを込めて、今年最後のレビューをさせていただきます🐯
私の今年の最後のレビューは発表されてから3年くらい待った本作です。
ピノキオの映画はご存知の通り何作かあって、1番有名なのは紛れもなくDisneyの「ピノキオ」だと思います。昔ロベルトベニーニが監督、主演(ピノキオ役😅)した「ピノッキオ」は何とも言えないミスマッチ感が逆に癖になりそうな駄作でした。最近ではマッテオガローネが監督した「ほんとうのピノッキオ」という映画がありましたが、これはファンタジー色に全フリし、ピノキオの造形も「なさそうでありそう」なリアルなものになっています。
この3作品は原作は同じながらもそれぞれのカラーが全く異なり、どのようにでも解釈できるのが「ピノキオ」という物語なんだと思いました。
そして本作はギレルモデルトロ監督!
やっぱり彼の世界観は良いわぁ〜
ダークな色調をずっと維持していて、キャラの造形も、ジムヘンソンが作るものを連想させますね!そういやオープニングで「ジムヘンソンスタジオ」のロゴが出てきましたよね😊ピノキオのフォルムも「不完全」を体現させたようなもので、作品の性質にはとても合うと思いました。
関係ないですが、この世で1番怖いピノキオは「ジョジョの奇妙な冒険ストーンオーシャン」のピノキオだと思います😅
あんなのが絵本から出てきたらトラウマですよね!
話は戻して、このピノキオで新しく見られた事は、「命」や「死」についてのメッセージがとても強い事だと思いました。
特に「戦争」を描いたピノキオは初めて観た気がします。ピノキオを兵器として訓練する軍隊。戦争の意味も知らずにそれに従事するピノキオは無垢の象徴で、濁りきった世界の中にいる澄んだ部分への蹂躙。当時の世相を映していますよね。ただどんな形でさえ、ピノキオは世間から認められた特別な存在として描かれている部分もあり、そこは世間の調子の良さだったり、宗教的なものを感じちゃったりします。
本作はギレルモデルトロ監督の映画としては「パンズラビリンス」の流れを組んでいるのかなぁと思います。と言うかかなり近いですよね。そりゃ暗くもなるわけだ。
大筋を知っているので物語的には驚くところはそんなに無かったですが、ギレルモデルトロファンは観た方が良い作品ではありますね😊
って事で2022年はこれでレビューを締めさせていただきます。
皆さん今年もありがとうございました🐯
来年も良い映画に出会えますように🐰
では👋