へたれ

行き止まりの世界に生まれてのへたれのレビュー・感想・評価

4.2
良かったとこ1 題材が奇跡的
スケボー仲間たちの10年以上に渡る友情関係を背景に、ロックフォードという衰退してDVが横行する街と、DVに苦しめられた監督自身や友人と、DVに走ってしまう友人の人生を丁寧に描く構成。監督自身の個人史でもあるし、仲間たちのセラピーの記録でもあるし、ラスト・ベルトと呼ばれる地域の葛藤でもある。この監督がおそらく一生に一度しか作れないような奇跡的な題材なので、良い悪いを通り越して貴重なものを観たという気になる。

良かったとこ2 監督自身の優しさ
感情的な修羅場にも何度も立ち会うけれど、それがほとんど嫌味にならない。時には撮影しながら友達に救いの手を差し伸べようとする監督のおかげで、厳しい現実でもどこか救いがあるように感じられる。

良かったとこ3 スケートボードの楽しさ
おそらく監督自らが滑って撮影していると思われるスケボーシーンに爽快感がある。スケボーに救われた人生を画像でしっかりと捉えられていて、スケボーのシーンになると観ている方も楽しくなってくる。
へたれ

へたれ