良かったとこ1 表情だけで見せる強烈な印象
バストアップのカットが多めで、喋るよりも俳優の表情で物語を見せようというスタイルと、それに応える俳優たちの力量とのバランスがよく取れていた。
至近距離でメンチを切る演出はこの監督のトレードマークになっていて、その緊迫感は強烈に怖い。
良かったとこ2 森田想の多様さ
「レオン」のナタリー・ポートマンと同じ位置づけではあるものの、クソガキの時もあれば弱さを見せる時もありと、脚本が求めているさまざまな印象をやりすぎにならずに表現していて、この人なしではこのストーリーは作れないだろうなと思った。
良かったとこ3 無国籍感がある光景
横浜だと思うけど香港ノワールに出てきそうな中華料理店や、スコットランドあたりを思わせる植生が日本らしくない採石場への道など、いわゆる日本のヤクザ映画とは違うルックスのロケ地が選ばれて、ロケ場所のセンスが良かった。
ダメだったとこ 銃器に対する扱いが適当
「レオン」っぽさに引きずられたのか、刃物に対する痛々しさに比べると、ライフルなどの扱いがやたらと軽い。商業映画ならそれでOKだけど、この映画の魅力はベタなストーリーでいかに人を惹きつけられるかというところだと思うので、銃が絡むシーンは演出もベタになっていて興醒めした。
