カテリーナ

PMC ザ・バンカーのカテリーナのレビュー・感想・評価

PMC ザ・バンカー(2018年製作の映画)
4.0
2013年に長編映画『テロ、ライブ』でデビューした若きキム・ビョンウ監督の2本目の作品。 5年後に発表した今作は期待通りの秀作だった。
若干38歳で一作目を完成させて
あまりの完成度の高さで観客の度肝を抜いたビョンウ監督 本国では記録的な興行成績を叩き出したが日本ではあまり注目されてない感有り でも個人的に好きな最も期待する監督の1人である
主演のハ・ジョンウがシナリオの出来は『チェイサー』以来だと惚れ込んでいたのも頷ける 技術的にも俳優の演出も
素晴らしかった。
社会の闇に鋭く斬り込み、観客の心を
グッと引き寄せ あっさりバッサリ
裏切り いい意味で先の読めない
展開にハラハラドキドキしながら
いつの間にか心を鷲掴みにされハラハラと涙を流す まんまと監督の掌の上であっちこっち転がされていい気持ち
これ以上ない満足感にどっぷりと浸かる事ができる これだから韓国映画はやめられない

タイトルになってるPMCという民間軍事会社に所属するハイエブ(ハ・ジョンウ)率いるラプター16というチームがCIAから北朝鮮の最高指揮官キングをバンカー(韓国、北朝鮮の間の軍事境界線の地下にある要塞)から確保する任務を請け負う
この映画のタイトルは舞台となる要塞の名前だったのね
もう、出演作が次々と公開されて韓国の俳優を代表する俳優として貫禄さえ漂わすハ・ジョンウさんは相変わらず顔が
大鶴義丹似ですが似てる本人がめっきり顔を見せなくなってしまいました
どうしてるんでしょうか
困った表情の時の眉毛がハの字になる
憎めないジョンウさんは溜息が出るほどお芝居が上手くて彼の出演作を見るごとに
唸るしかない
今作での白眉は要塞に爆弾を仕掛けられ
吹っ飛ばされ瀕死の状態でなんとか生き延びてるハイエブの脚に破片が食い込み
それを自力で取り出す時の痛みに耐える表情、上手い 何とか処置を終え 注射を打って一安心した時の安堵感の表現
溜息を何度もついて呼吸を整えるジョンウさん、うますぎ!

パラサイトで金持ちの主人を演じていた
イ・ソンギュンがユン・ジイ医師 - イ・ソンギュン北朝鮮のキングの側近医師役で
相変わらず無駄にセクシーな声を響かせて
こちらでは誠実な医師役でハイエブにモニターを通して傷口の処置の方法の指示をテキパキと与えていた
お互いを「朝鮮人」「韓国人」と呼び合ってるのが可笑しい
太ももの裏側に食い込んでる破片を鏡を見ながら取り出す時にユン医師から動脈の近くだから慎重に取り出さないと動脈を傷つけ血の海になるぞと注意する
自分が後で摘出するからそのままにしておけという忠告を聞かず強引に傷口から取り出す時の痛そうな事 余りの痛みに、気が遠くなりかけるハイエブをしっかりとサポートしてパラサイトの時のあのイビキをかいてソファで眠りこける同一人物とは思えない 

チームリーダーとして部下を絶対に見捨てないハイエブと自分の危険も顧みず
負傷した人を見捨てないユン医師が
お互いの信義を認め合い心を通わす
ラストのシークエンスでのハイエブの選択は落涙必須
カテリーナ

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