たけちゃん

天気の子のたけちゃんのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
5.0
人の心は空に繋がっているんだ……


新海誠 監督・脚本 2019年製作
音楽RADWIMPS
声優 醍醐虎汰朗、森七菜


金曜の振休日に「ワンハリ」に続けて観てきました!今頃かよって声が聞こえますけど( ¯−¯ )フッ


やばい、思っていたのと全然違った!
めちゃめちゃ良かった。
震えました!
泣きました!
笑いました!

今頃観に行って、ごめんなさい🙇💦
恐らく僕は新海誠監督を過小評価していたのでしょう。
過去作は映像の綺麗さばかりが印象に残ってしまい、そんなに心に響かなくて。
でも、嫌いだったわけではなかったですよ。
前作「君の名は。」は、すこぶる好きで、スコアも4.5です。RADWIMPSも好きだし、曲も良かったけど、さすがにMVみたいなインサートが映画としてはどうかと思っての、ちょい下げ。それで4.5って相当好きってことですからね。あの世界観に痺れました!

でも、今作の新海誠は、脚本家として、映像作家として、僕は「君の名は。」をグッと超えてきたと感じましたよ( ˘ ˘ )ウンウン


そして、こう宣言します( •̀ω•́ )و✧
新海誠は令和の宮崎駿である!と。
今回の作品を観て、僕がジブリに対し求めているものを、今、提示してくれるのは、新海誠監督なんだと確信しました。

なぜ、そう感じるのかは、以下に書きたいと思うんですが、端的に言えば、恐らく、新海誠監督が持つファンタジー性なんでしょう。


今作って、とてもファンタジーでしょう?
「君の名は。」もファンタジーだけど、ちょっとSFが入っているので、感じ方が少し違う。

ところが、この「天気の子」は正真正銘のファンタジーです。ファンタジーの王道だと思います。


少しネタバレになりますが、天気の子、と言いながら、そこで語られる"天"は、空のことではなく"彼方"、"彼岸"のことでしたよね。すなわち、この現実世界とは異なる異世界。
それは、上橋菜穂子が描く"ナユグ(精霊の世界)"と"サグ"(人間の世界)"の関係であったり、宮崎駿が「千と千尋の神隠し」で描いたこの世と湯屋のある神々の世界、または「ナルニア国ものがたり」のナルニア国と同じです。

その世界に立ち入る方法は、様々で、そこに作品のオリジナリティがありましたね。
"ナユグ"と"サグ"を繋ぐのは両の世界を生きる呪術師による呪術でしたし、千尋が迷い込むのはトンネルを抜けることによってでした。あの「ナルニア国ものがたり」なら、衣装ダンス。
そして、この「天気の子」は鳥居でした。


また、それぞれの作品には、その両の世界を繋ぐ人物がいましたね。
「精霊の守り人」は、もちろん守り人や呪術師。
「千と千尋の神隠し」は千尋でしたし、「ナルニア国ものがたり」では、ペペンシー兄弟。

この「天気の子」では、それが陽菜さんなんです。彼女はさらに日本的で、巫女の立ち位置でした。
龍神は水の神の化身ですが、彼女の心を映して現れる様は、「千と千尋の神隠し」の千とハクのようにも見えましたよね。劇中には陽菜や千尋が水の神と心を通わせる瞬間があったことが描かれていましたし。
その二つの世界のバランス、あるいは、調和が取れているならば問題はないのですが、ひとたびバランスが崩れると、何らかの方法で元に戻さなければならなくなる。
それこそが両の世界を跨るもの、選ばれし者、あるいは巫女の宿命。



また、「天気の子」では、彼女が心を取り戻し、現実の世界へと戻るためのカギとなる存在の帆高がいることで、現実感というかジュブナイル・ストーリーとしての側面を強めていました。


そう。今作は異世界ファンタジーであると同時に、素晴らしい青春ジュブナイル・ストーリーでもありました。
期せずして"100%の晴れ女"という巫女のような存在となってしまった陽菜。そして、導かれるように彼女に出会った帆高。
2人は現実に抗いながら、自らの欲するもの、求めるものへと懸命に走ります。

10代の頃、若い頃、何となく世間に反発したり苛立ったりするんだけど、そのうちに、その世界に馴染まされ、迎合したり諦めたりすることって、ある。
でも、自分の本当に大切にするものに対しては、抗ったり戦ったりしなければいけない時が、ある。

世界の何と戦ってでも、目の前のその人を失いたくないという強い思い。
帆高は、世界の均衡を崩し、それを失ってでも、手に入れたいものがあったんですよね。
それが陽菜さん。
青臭いんだけど、失いたくない。
そんな思いを強く受け取りました!
だから、それに気づき、その思いを取り戻した須賀さんや夏美さんも帆高を応援するんです。
それがすごく良かった。

これって「天空の城ラピュタ」のシータに対するパズーと同じですよね。
パズーの一途さにドーラたちの心までも動いてしまうのは、まさに、須賀さんや夏美さんの行動そのものでした。
ただ、パズーよりは帆高はヘタレでしたが……。
バルスの呪文はないけれど、2人が手を結ぶことで天が落ちてくる構図は、全く同じですし。



そう、「天気の子」には、昔観たジブリ作品への感動や共感と同質のものが流れているんです。
だから、感じたんです!
"新海誠監督は、令和の宮崎駿である"、と。
なので、次作がより楽しみになりました。
新海誠は次に何を見せてくれるのでしょうね。




それにしても、気づかなかった‪٩(×_×)۶‬
エンドクレジット見て、三葉や瀧くんの名前見つけて、「えーっ」ってなった(笑)
どこどこ、どこにいたの~?ってなって、ネタバレサイト見ちゃったよ(笑)そりゃ、分からん( ¯−¯ )フッ
でも、新海ファンなら分かって当然のものでした?
はい、修行して、出直しますm(_ _)m