偽名祐司

オッズの偽名祐司のレビュー・感想・評価

オッズ(2018年製作の映画)
1.4
二人のマウントの取り合い、といえば聞こえが良い長いだけのSAW系ゲーム作品。きっぱり面白くない。

話はアプリ参照で。何もない部屋。机を挟み向かい合い座る二人の男女。女はチャレンジャー、男はゲーム進行役。20人の参加者が5つの試験をクリアし決勝戦に進む。決勝で勝ち残った一人は100万ドルを手に入れる。試験は「耐える事」のみ。その試験内容は次第に過激さを増していく。

2000年代の傑作「SAW」や「CUBE」が切り拓いたソリッドシチュエーションスリラーに連なる系統の作品。
よくある設定ながら「登場人物が2人」のみ、心理戦を呈する、という個人的な好きな要素と初代SAW的な煽り文句が組み合わさって視聴したのですが。まあ外れ。
この系統は何よりともかく脚本が大事だと思うのですが、この作品、それがもうグダグダです。

ゲームの参加者20人なのに一部屋に挑戦者と司会の2人しかいないって?と思ったら別室で同様の事をしており、それを肴に賭けをしてる人々がいる、という設定。
全ての試験が「耐える」というもので「ギブアップして脱落した人間が数人出るまで」耐えたらクリアという相対的なゲーム。
この時点でなーんとなく脚本的な方向性が見えてしまうのですが、それはさておき。

「耐える」内容も初手が「火のついた蝋燭の上に手のひらをかざす」で察してください。「ヘビーレイン」で有名な奴もあります。

所謂「うわ、痛そう」と思わせるシリーズと思って下さい、ただし最初だけ。後半いきなりゲームでもなんでもなくなる上に決勝戦ゲームのネタバレを序盤にあっさり会話で話す始末です。

ゲームと平行して行なわれる会話劇で進行するのが2人の設定、とか周辺の設定や謎の話であったり、2人の目的の探りあいだったりする、はずなんですが。この辺もグダグダです。

司会進行役の男が毎回ゲーム後の女の手当てをし、励ますのも意味不明ですが、2人の過去もうっすらとしか解りません。
それでいて何かお互いに「僕の事を愛してるならクリアできる」とか「私と会ったことあるでしょ?」という謎の掛け合いが頻発します。何の読み合いをしているのかわかりません。

「SAW」系ゲーム作品好きな人ですらお勧めできません。
あえて観たいのなら止めませんが、自己責任でどうぞ。

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