偽名祐司

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の偽名祐司のレビュー・感想・評価

3.8
非常に気合の入った原作映像化映画。無限列車編そのまんま。
本当そのまんま。以上。

話はアプリ参照で。
機能回復訓練を終えた炭次郎達は先に出撃した炎柱・煉獄に合流し応援するべく無限列車に乗り込む事になる。彼らを待ち受ける鬼と初めて目撃する柱の本気の戦いの結末は。

空前の大ブームなのでわざわざ説明不要なんですが。備忘録として。
週刊少年ジャンプ連載した同名作品を「アニメ化ガチャでSSR全て引き当てた」とマニアに言わしめる程の超豪華スタッフでアニメ化。
結果その劇場版のようなクオリティとコロナ禍の時世、SNSで拡散し一気に大ブームに。
原作漫画も売り切れ続出で原作も無駄な引き延ばしなど一切せず綺麗に完結し、その勢いをもってアニメの完全な続きのエピソードをそのまま映画化。
そして映画館では同じくコロナ禍で新作上映作品が少ない為に複数のスクリーンで同時上映をする事になり、結果として公開10日で100億を超える興行成績を叩き出し、さらに売り上げを伸ばしている状況。
正に化け物級の大当たり。最終的には400億突破したんでしたかね。

基本TVのガチ続きなので説明無しなのは仕方ないとして。
炎柱である煉獄さんの設定上、この話を映画化したのはある意味正解と言えます。
特に映画化に際して特別に手を加える事は無く(ごく一部ありますが)そのまま原作どおりのエピソードを展開します。
ですので特に原作通過組に関しては驚く事はさほど無いと思います。細かいアクションやシーンの追加、特に煉獄さん関連についてはファンの為のサービスであり、十分拍手できる方向性かと。

個人的には脳内映像のギャグシーンを映画クオリティで観れたのはちょっと面白かったかな。
アクション方面はこれまたTV観た人には十分予想できる迫力と勢いをもつアクションが入っております。煉獄さんの柱の実力を表す凄まじい強さとこれに対峙する事になる〇〇の鬼の戦闘シーンは十分圧巻です。
EDを飾る歌も良く話と組み合わさり素晴らしいと思います。

作品について少しだけ。
この作品の主人公、炭次郎は現在のジャンプ作品でもなかなかいない程の純粋で心が美しいキャラクターです。
ちょっと現実にはあり得ない程の。
家族を軒並み殺された鬼に対して人間の側面も認め、憐れむ心を持てるという。
妹の禰津子を人間に戻す為に、全力で鬼に立ち向かい刃を振るうが、鬼になってしまった人間の過去を認め涙する事ができる。中々にいないキャラクター

総じて素晴らしいと思いますが今までのTVシリーズを観てる人間にはごく普通の映画でやった続きのエピソードでしか思えないのが残念な所です。
作りとして当然ですが映画でやる意味が特にありません。
ですがこの倒れかけた映画館業界を正に救ったとしか思えない程の興行成績を成し遂げたのは拍手しかありません。

特に原作未読者やTV観たことない人に無理にまでお勧めしようとは思いませんが、原作を何らかの形で読んだり、観たりしてる人ならば普通にお勧めできる作品かと思います。
ネタばれ感想はコメントで。
偽名祐司

偽名祐司