偽名祐司

リトル・ジョーの偽名祐司のレビュー・感想・評価

リトル・ジョー(2019年製作の映画)
3.0
色のセンスと音楽のセンスが素晴らしい
世にも奇妙なフワラーストーリー。
話は面白いんですがもうちょい短く纏めてくれても良かった気がします。

話はアプリ参照で
企業で遺伝子組み換え植物の研究をするシングルマザーのアリス。
育てるのに手はかかるが「人を幸せにする香り」を放つ深紅の花の新種開発に成功する。
名前は思春期になる息子の名前から「リトル・ジョー」。
アリスに気がある同僚クリス、腫れ物扱いされてるベラ、息子のジョーにその彼女。リトルジョーに関わる人々は次第におかしな行動を取っていく。
彼女の開発した「リトル・ジョー」がもたらす幸せとは一体何なのか。

真っ赤な彼岸花にも似たリトルジョーの色彩と映画全般にかかる和楽器使った不穏な曲がいい感じで不安を煽ります。

愛情を与えないと咲かない花という設定と代わりに幸せにする香りを放つというリトルジョー。観る人によって綺麗と思う時もあれば恐ろしいと思う時もあるでしょう。

話も何が真相か分からない霧の中を進行しながら不安だけが募っていく作り。結末を含めて非常に良く出来ている、と思うのですが。
もうちょいシンプルに纏めて頂いても良かった気はします。

決定的なシーンや変化は映し出さないのですが、モニターした人々や関わった人々はすべからく「今とても幸せなんだ」と言います。
その変化が理解できない人からは「自分の知ってる人じゃない、別人だ」と言わしめる変化を引き起こす、リトルジョー。
息子の変化は思春期、親離れと見えますし、クリスの変化は仕事を大事にしているだけ、ベラの変化は過去の精神疾患から来るだけのものとも言えます。
なんとなくそれっぽいおぞましい真相があるような「気がする」だけで進行する話。果たして本当の所何が起きているのかは観てのお楽しみって事にしておきましょう。

世にも奇妙な物語とか好きな人には非常にお勧めできる不穏な空気全開のスリラーって事で。ネタばれ感想はコメントで。
偽名祐司

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