偽名祐司

屍人荘の殺人の偽名祐司のレビュー・感想・評価

屍人荘の殺人(2019年製作の映画)
3.4
各種賞をさらった奇想天外ミステリーの映画化。
色々惜しいけど楽しいエンタメミステリ。
原作未読ですが間違いなく原作の方が面白いだろうなあと思います。

話はアプリ参照で。
「神紅大学のホームズとワトソン」と言われる明智恭介と主人公である葉村。実態は部員ほぼいないミステリ研究会の会長とその使い走りである。今日も大学内のトラブルに顔を突っ込み、解決しようと引っ掻き回している所に、羽村が思わず一目ぼれしそうな自称名探偵少女剣崎比留子が声をかけてきた。
某所で行われるロックフェス研究会の合宿行事。サークルOBの持つ大きな館で起きた過去の失踪事件。謎の脅迫状。二人を取引によって引きずりだされ、合宿所である屍人荘にやってくる。彼らが遭遇する奇想天外な事件とは。

これ上手いことCMとか作ってありまして。
ゲームだとアサシングリード的な。
ある情報が完全にシャットアウトされているのですね。
そりゃまあネタバレ厳禁ですよねえ。

原作未読状態で行ったので普通にびっくりしました。

所謂ミステリーには「クローズドサークル」という言葉があります。
閉鎖状況、とでも言いますか、要は登場人物以外一切外部から侵入できませんよ、という環境を指します。
これが成立するので作中の登場人物の中から犯人を探す、という謎解きと犯人当てが出来るのでして。
良くあるのが「猛吹雪の中のペンション」「絶海の孤島」「途中停止しない列車」とかでしょうか。他にもいくらでもあると思いますが。
そして今作のクローズドサークルの作り方。
これが恐らく前代未聞、かつ奇想天外な作品と言われる理由でしょう。
なんたって○○○ですから。
ジャンルもう違ってない?それ?って言われても仕方ない位です。

ですのでその環境や状況に目を奪われがちではあるのですが割と中身のミステリーやトリック部分はシンプルかつベタです。
落ち着けば誰でも犯人解る位です。
おまけに犯人の犯行動機や、周辺のミステリ部分も全てベタで作られてます。本当にこれほどベタな作品を○○○を突っ込む事でここまでエンタメとして面白く出来るとは思いませんでした。

殺人事件ものなのですが演出でゴアなシーンは無くしているので普通に誰でも楽しめるレベルのエンタメミステリーに仕上がっています。気楽にお楽しみ下さい。
ネタバレ感想はコメントで。
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