アネモネ

クーリエ:最高機密の運び屋のアネモネのレビュー・感想・評価

4.0
常に静かにハラハラドキドキが繰り返される見応えのあるスパイ映画でした。
これも実話っていうから凄い。。
案の定エンドロールで涙しました。

ベネディクト・カンパーバッチの凛としたセールスマンらしい立ち振る舞いと、心の底に秘めた強い信念を隠しながら周りを欺くメラーブ・ニニッゼの眼差しが素晴らしく、
観ていて余計に緊張感を倍増させると同時に、この2人の願いが叶うよう強く祈ってしまいました。


ウィンはソ連に通うにつれて気持ちが変化していく様が印象的だったし、
世界を救うとか大それた事じゃなく、こんな事は間違っている!と自分の信念のままに行動するペンコフスキーには尊敬しかない。
全てが監視されていてその上簡単に粛清されてしまう国で、どんだけの覚悟だった事か。

家族以外で他人を信じる事の大変さが上手く表現されていたと思いました。
そして、2人が少しずつ信頼関係を築いていくところが自然に描かれていてとても良かったです。
ここまでのストーリーが良く出来ているので、最後の展開の切なさが倍増してみえて苦しかった。

同じくスパイ映画で以前観た「工作」のラストがめちゃエモかったけど、この映画もそれに匹敵するくらいぐっときました。
この2人の強い信頼関係があったから、世界は第三次対戦にならずに済んだんだと思う!と、信じたい。
愛する家族を自由の国へ連れて行けなかったペンコフスキーを思うと泣けてくるし、
ウィンに「アメリカで会おう」と話すペンコフスキーの表情が忘れられません。。


「ワイルドローズ」で大ファンになったジェシー・バックリーはまた違った表情と演技をみせてくれてとても良かったです。
次はどんな役をやるのか楽しみ。



わかってはいるけど、
いつの時代もどの国にもスパイって本当に居るんだなー。
アネモネ

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