まちゃん

マッスル 踊る稲妻のまちゃんのレビュー・感想・評価

マッスル 踊る稲妻(2015年製作の映画)
3.8
ラブストーリー、アクション、コメディ、サスペンス、ミュージカル…。映画には様々なジャンルが存在する。では全てのジャンルを入れ込んだ映画は存在するだろうか。それがこの作品だ。この作品には二つの時間軸がある。怪奇映画の雰囲気たっぷりの異形の男の物語、そしてボディビルダーの主人公リンゲーサンのサクセス・ストーリーだ。「ノートルダムのせむし男」を思わせる異形の男。男の犯す誘拐事件から物語は始まる。犯罪を犯す姿は陰惨で哀しみを漂わせている。一方でリンゲーサンの話はユーモアがあり楽しい雰囲気だ。ミュージカルシーンは華やかで理屈抜きに心が高揚する。ワイヤーワークを使ったアクション・シーンは現実離れしながらもポーズが決まった格好良さがある。この全く違う二つ物語を往き来しながら映画は進んでいく。そして物語の全てを貫くリンゲーサンとディヤーのラブストーリー。様々なジャンルを包括しながら観客を徹底的に楽しませる意識が素晴らしい。このサービス精神は大勢で盛り上がりながら楽しむインド映画の鑑賞スタイルが作り上げたのではないか。3時間の大作だが飽きさせる事はない。ボリウッド映画の魅力に溢れた傑作。
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