みかぽん

たちあがる女のみかぽんのレビュー・感想・評価

たちあがる女(2018年製作の映画)
3.8
娘殺しの殺人犯が一向に逮捕されないことに業を煮やした母親の反乱を描いた、スリービルボードのアイスランド版風。
と言っでも、本作はアルミニウム工場による環境破壊に抗議し、送電線を切ったり鉄塔を倒したりと規模がやや大きめか…😅

なので政府は犯人を国家転覆を図るテロリスト扱いで、CIAに援軍を頼み、赤外線感知のヘリや偵察ドローンを飛ばすわ、特殊部隊や捜査犬を投入するわ、事件現場からDNA採取まで行うわ。あとこれらに加えて執拗な検問、監視カメラの増設、国民を総監視者にするためのマスコミ操作も怠りなく、それぞれを多角的に展開。途中からは「あれ?これってジェイソン・ボーン シリーズでしたっけ…」的なスパイ映画さながらのアクション&サスペンスな様相も加わり始めます😰。

お国の方針に刃向かうと、かような怖きめに遭わされるのね。マジで心臓によろしくないです…😨

まさに胃潰瘍を即時発症、薄氷渡りまくりで追い詰められる感が満載なのに、なぜか突如、民俗衣装などの音楽トリオが文明堂のカステラCMのノンビリ版風(?)に現れ、そのユルさが絶妙に心地良く。
加えて、主人公の行動と何故かいつも近い場所に居て、その都度容疑者扱いで捕まる自転車旅スペイン人青年(不運😅)も笑いどころのツボで。
彼女ら、彼ら、彼に我々の胃も血圧も救われます🤣🤣。
とそんな中、この女主人公ハットラに、自身が以前申請していたウクライナ孤児の養女受入の可否を問う連絡が入り…。

全体主義に迎合気味(?)の日本人には、ともすれば主人公は過激な勝手者として処理してしまわれそうですが、真面目にアイスランドの環境破壊は深刻なのです。
(温暖化の影響で永久凍土が溶けていることで、その先から二酸化炭素の約30倍の温室効果があるメタンガスが日々噴出しているそうです)
何処の国もかなり深刻な環境問題を抱えているのに、それぞれ目先のお金に目をくらませて、一部はおかしな方向に向かってますよね。本当に大丈夫なのか?地球…😭😭😭。
北極の氷が溶ければ物資輸送が劇的に効率化すると喜ぶ金の亡者もいますからね。
他国民や動物の迷惑などお構いなしだなんて、本当に開いた口が閉まりませんよ😤
(映画から話が外れてスミマセン ~_~;)。

そんなこともあって、養女がウクライナを離れるラストで、バスが冠水のため向こう岸に渡れず、乗客全員が胸元まで水に浸かりながら陸地を目指すシーンは、そう遠くない我々の辿るべき姿として目に焼きつきましたけどね😢

ところで、この映画をいたく気に入ったジョディー・フォスター本人が主演、監督でリメイク権を買ったのですと。
さてどんな映画になるのかな、今から楽しみです😁
みかぽん

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