明月

無垢なる証人の明月のネタバレレビュー・内容・結末

無垢なる証人(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

どこか諦めかけている目をしてバスに乗っているスノ。

要介護の父親と2人で暮らしている。
独り身を心配している。

スノは大手弁護士事務所に移籍して1年ちょっとの元人権擁護弁護士。
所長にも期待されているが、エースになるには「 垢」が足りないという。

世間から注目されている家政婦による殺人事件を担当することになる。
自閉症の高校生が事件を目撃していて、自殺ではなく殺人事件となった。

被告人オ・ミランの弁護士として、証人のイ・ジウに会いに行くが、母親に会わせたくないと言われて、会えなかった。

検事の証人尋問の映像を見ると5歳児のように見えるが、知能は高く証言として採用できると医師は言う。

大学時代の友人スインが大企業相手に生理用品の訴訟の弁護士をしている。
負け試合をするな、と助言するスノに苛立つスイン。

担当検事の弟が自閉症で
「自閉症の人はその人の世界で生きてる。そのように生まれたから。その人が出られないなら、その人の世界に入ってみるしかないのでは?」と言われる。

ジウに会いに行くが、会話は成り立たない。

裁判が始まる。
陪審員裁判である。

ゴミ袋を被って死亡したことが、
他殺か自殺か。
ビニールをやぶこうとした形跡はなく、4分間の間、健康な40代の女性が80代の50キロ程度の人を助けられないことは無いと証言される。

ブタンガスがビニール袋から検出されていて、それを被害者本人が購入している映像が証拠として採用される。

次はジウの証人尋問。
ラーメンを一緒に食べて、
グミを食べる。

自閉症の人は正直だから
ジウを信じるという検事。

スインは第一審の裁判に負けて
やさぐれている。

会計事務所のパートナー弁護士にならないかと誘われるスノ。
父親の借金に悩まされ、お金を稼げることが良いことと思おうとしているようだ。

ジウにパズル(なぞなぞ)を出してやり取りするスノ。
ジウと仲良くなる。

犬の鳴き声がうるさくて鼓膜が破れそうと犬を嫌がるジウ。

ジウと一緒にいたシネに
ジウをいじめているところに
居合わせるスノ。
シネしか友達がいないと泣く母親。
話もうまいし、パズルもできるし、ジウが自閉症でさえなければというスノに
「それじゃジウじゃないでしょう。ジウが自閉症じゃなければ」と思わないというジウの母。

「あなたはいい人ですか?」

シネは笑顔でわたしを利用して
お母さんは怒った顔で私を愛してくれる。
おじさんは、だいたい笑顔で
あなたも私を利用しますか?

ジウの証人尋問の日。
時計の音がうるさくて座って居られないジウ。

ジウが目撃したことを話す。
ジウがミランが助けるための行動ではなく、攻撃をしたと根拠を聞く。
「おばさんが笑っていたから」

自閉症の人が表情が読み取れない、感情を推測できないことを挙げて、
複雑な表情の絵を見せる。
そして、精神病の証人は正確な判断ができないという。

裁判後、ジウに
「私は精神病患者ですか?」
と聞かれるスノ。

そして、ジウの証人能力は認められず、オ・ミラン氏は無罪になった。

裁判後に被害者の息子と家政婦が微笑みあっているところを目撃するスノ。
検事は、控訴する。

被害者は、遺産をすべて病気の子どもに寄付することにしていた。
息子は経営難で困っていて、家政婦は養子に出した子どもが病気で困っていた。

雨の日、ミランがジウを余計なことを言うなと脅す顔は、まさに裁判の時の似顔絵のようだった。

発作がでて入院するジウ。

検事のところを訪ねるスノ。
もう1度証人にと請われるが、母親が断る。
「証人になる」というジウ。
証人になって、みんなに真実を教えてあげたいという。

控訴審の検事は、交代させられた。
ジウの証言の日。
証人としての能力を問う弁護人。

水玉の数を見ただけで答えるジウ。

自閉症の認知能力を確認しながら、尋問するスノ。
小さな声でも聞き取れることを証明しながら、当日のオ・ミランの声を再現する。
108文字の正確な証言。

偏見にさらされながらも、正直であり続けたジウ。

ジウの特別支援学校の友達との誕生日パーティに呼ばれるスノ。
みんな変だからいい。
健常者のフリをしなくていいから。
今までは、健常者の練習をしていたと。

「ヤン・スノおじさんはいい人です。」

いい人になれるように努力するというスノ。

スインのところに行って、
「弁護士は辞めることになりそうだ」という。
これからどうするかわからないけど、スインがいないとダメなことはわかる、と告白して2人でご飯を食べにいく。

雪が降って、ジウは
プレゼントにもらった青いグミを抱いている。


人はただ違うだけだ。
違うということを自分に引き寄せるのではなくて、
相手のところにたって理解しようとすることが、
分かり合える第一歩かもしれない。
明月

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