えびちゃん

追風のえびちゃんのレビュー・感想・評価

追風(2007年製作の映画)
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わたしたちは気づいていないだけで、見守ってくれる人に支えられている。
エドワード・ヤン監督の遺作。未完の短編アニメーション。
これぞヤンヤンとばかりの長回し。(適切な表現かはわからない。アニメで長回しっていうのかな?)デジタルのようなつるつるにゅるにゅるした動きではないし、むしろややオーバーな動きもあるけど、デジタル苦手マンとしてはホッとする。カンフーシーンは格別。
これぞヤンヤンとばかりの引きの構図。アニメなのにクロースアップもファーストカット以外なくて常に引きスタイルのヤンヤン。生きている絵巻物のようだった。
そしてこれぞヤンヤンとばかりの明暗。美しい灯籠のあかりに目が行きがちなんだけど、やっぱりしっかり影や暗闇が効いていた。すき!
観終わってはじめて「追風」の意味がわかる。中国語だし、背景もわからないので雰囲気だけ。伝えたいことをキャッチした確信はない。そんな中で思ったことは、意外と他人に助けられることってあるよな、実は陰ながら支えてくれる人っているよな、捨てる神あれば拾う神もいるってこと。この物語の主人公たちのように人生にドラマチックな展開はないんだけど、他人からの些細な優しさをしっかり拾い上げたいものです。
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