ホイットモア大統領

貞子のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

貞子(2019年製作の映画)
2.7
『リング2』より20年ぶり、『ザ・リング2』を含めると約15年ぶりのシリーズ復帰となった中田監督。
前作の『貞子3D2』までを無かったことにした、『リング2』の続編的作りだが…。

貞子の生まれ変わりに、大人に虐げられる子供、そして、行方不明者を探す子供の理解者(主人公)と、設定は『貞子3D2』の焼き直し笑笑
脚本家は同じだし、原作未読だからわからないけど、本作の元となった「タイド」は『貞子3D』の原作である「エス」の続編らしいので、残当っちゃ残当??

とはいえ「原点回帰」は嘘ではなく、中田監督を起用したことも相まって、貞子の謎にまつわるミステリー仕立てになっていたのは良かった。恐怖演出はほどほどに、シリーズの生き残りである佐藤仁美の登場、海や男女で貞子出生の地に赴く展開は1作目を想起させる。

また、ファンタスティック・カズマ(!)こと、清水尋也のPOV映像がJホラーらしさに溢れてて素晴らしい!なんでも本人が演出したらしく、本当に器用な俳優さんだなと。

しかし、肝心の貞子が全く怖くない!
1作目のオマージュは良いが既視感ある演出ばかりで、悪く言えば予定調和的。携帯電話の鳴るタイミングとか、エレベーターのところとか、岩場の隙間とか。
これはメデイア・ミックスのし過ぎによる弊害だと思うけど、昔はあんなにはっきり映ってなかったと思うよ笑

そもそも本作における “呪い” がどういう構造だったのかもあやふや。加えてラストも蛇足でしかない。
愛を知らない孤独者に対して姉弟の絆で挑む、とかそんな話じゃなかったの??