ひろぽん

オンネリとアンネリとひみつのさくせんのひろぽんのレビュー・感想・評価

3.8
『オンネリとアンネリ』3作目
フィンランドの児童文学『オンネリとアンネリのおうち』の実写映画

オンネリとアンネリの青いおうちの前に、突然できた「子供の家」。高い柵に囲まれたその家は、身寄りのない孤児の子供たちを所長のミンナ・ピンナが、ガチガチのルールで支配する自由のない場所だった。ある日、逃げ出した少年を見つけたオンネリとアンネリは、子供の家でのひどい扱いを聞かされる。子供たちを助けるために2人は、近所のリキネン夫妻やノッポティーナ&プクティーナ姉妹、プティッチャネン親子と一緒に、「ひみつのさくせん」を決行することに。果たしてオンネリとアンネリは子どもたちを救うことができるのかというファンタジー物語。


2人で可愛い青いおうちに住むオンネリとアンネリ。そんな2人の前に子どもの家ができる。庭には遊具もなく、名前ではなく番号で呼ばれ、服装もみんなグレーという囚人のような生活を送らされる。寝る場所や時間にも厳しく全くの自由のないルールだらけの孤児院となってしまった。そんな孤児院から1人の少年が脱走し、オンネリとアンネリに助けを求める。子どもたちを救うべく2人はご近所さんたちと協力して「ひみつのさくせん」を立てていくお話。

前2作から急成長を遂げたオンネリとアンネリ。もう外見は幼女というよりかは大人び始めている様子。子どもの成長は本当に早いのだと実感する。

今作は、これまでの2作と比べてアンネリとオンネリの青いお可愛いうちの内装があまり登場しない。その代わりに、緑が生い茂る庭や太陽の光を反射する綺麗な湖などの自然豊かな景色がとても美しい。さらに、オンネリとアンネリのカラフルなファッションがとても可愛くデザインされている。

2人の服装とは対比されるように、孤児院の子どもたちの服装がグレーの単色だけという色が無く規律の厳しい不自由さを象徴している。

ずっと一緒にいるオンネリとアンネリが二手に分かれて、潜入する側と外から援助する側に分かれて計画を実行している所が新鮮だった。お互いが想い合い、それぞれが頑張る姿が素敵だった。

懐中電灯の明かりを利用したモールス信号は潜入感満載でテンション上がった。

これまで警察官として活動していたリキネンがちょっとした出来事で警察を辞めてしまったのがショックだった。

所長のミンナ・ピンナは規律に厳しいが子どもを愛しており、それが子どもたちに伝わらず、ただすれ違っているだけだから憎めない。子どもたちをルールで縛るが、子どもから取り上げたUFOの本を読み憧れていたり、世界の広さを知って大喜びしたりと、子どものような感性を持っているというのが良かった。子どもを心配するがあまり行き過ぎた行動になるのは分かるが、それでも厳しすぎる。

最後にミンナ・ピンナは南極に飛ばされてしまうが、幸せそうにしているから良かった。

ラストは誰も傷つかないホッコリする終わり方。孤児院がカラフルになったことで、子どもたちに自由がもたらされたことが分かる。みんな笑顔で何よりだ。

いつもよりも鮮やかさが少なめだが、作品全体として自然豊かな雰囲気やオシャレなファッションが楽しめるから、3作の中では1番好きな作品だった。サンバイザーやサングラスを身につけ、お洒落度が増してた。

心温まるホッコリする作品だから、癒されたい時にオススメの作品。
ひろぽん

ひろぽん