ましゅー

フォードvsフェラーリのましゅーのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
3.8
今月年頭1月の期待の一作、昨日観て参りました。

常勝フェラーリに挑む、大企業病とも言える肥大化してしまった組織・人員を抱えるフォード。
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この構図だけでもどんな奇策が飛び出してくるのだろう?と期待はあらぬ方向に膨らみましたが、王道も王道。

米国人初のル・マン24H優勝者なるも心臓病のため今はカーデザイナーとして日々を送るマット・デイモン扮するキャロル・シェルビーと

車を知り尽くす凄腕イギリス人ドライバーなるもストイック且つ反骨心溢れる言動で変わり者扱いされ、さらには自らの自動車整備工場を国税局に差し押さえられてしまう、クリスチャン・ベール扮するケン・マイルズ。
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この二人が互いの信頼、友情を育みながら、様々な障害を乗り越えつつレースカーを地道にチューンアップし続け、ついにル・マンのその場で最終対決を迎える!という、男ならこれを観てアガらなくてどうする⁉️といった感じの直球勝負の心踊る作品でした。
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そうした男達の色々なものの積み重ね以外でも、レースシーンの緊迫感・爽快感は言わずもがな、マイルズ夫妻・親子の信頼・愛にも胸を打たれますし、何より強者への挑戦よりも大企業ならではの組織・階層・勝手な論理への抵抗の場面が、しがないサラリーマンであるこの私には特に身につまされる思いで事の成り行きから目が離せませんでした。
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120%満面の笑みでのハッピーエンドに見せかけた、それとは程遠い苦さの残る幕切れも深い余韻を残し、期待の一作に違わぬ満足感を与えてくれたこの作品、しかと心に刻むことが出来たのであります😌
ましゅー

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