しめじろー

生理ちゃんのしめじろーのレビュー・感想・評価

生理ちゃん(2019年製作の映画)
3.3
仕事が落ち着いたから映画を見るぞ!!

原作漫画が好きで…というか作者の小山健さんが好きで、映画化が発表された直後から絶対見に行こうと決めていました。(原作はオモコロHPで全話無料で読めるのでぜひ!!)
「生理」がゆるキャラのような目に見える姿をしている世界のお話。玄関からチャイムを鳴らして生理がやって来て、下腹部をグーパンで殴ってくる、といった具合です。しかしストーリーは生理にスポットを当て過ぎることなく、女性なら思わず共感してしまうような要素がたくさん詰まった普遍的なお話でした。
原作は1話完結のオムニバスですが、映画化にあたっては各話の要素を上手く絡ませて、とある3人の女性のお話として上手い具合に再構築されておりました。カラッとしていて着地も気持ちいい、軽く見れる良作といった印象です。

しかし、せっかく「生理ちゃん」なのに、あんまり生理っぽいことをしないんですよね。生理パンチも血を抜くのも、序盤でさっさとすませてしまって、あとはひたすら重い〜〜と具体性に欠ける描写が続く。もっと生理あるあるとかを逃げずに入れて欲しかったなあ。「主人公たちの身近な存在」という面が強く出過ぎてしまい、あんまり生理と関係ないムーブも多く、なんかテーマがぶれてしまうなあという残念さがありました。それこそ腰にカイロ貼ったり白いスカート履けないとかそういう生々しさがあってもよかったのでは?その点はやっぱり原作が上手くて、原作と比較してしまうなあ。
あと生理ちゃん、着ぐるみはいいけどぬいぐるみはよくない!ピクリとも動かない生理ちゃんに必死で話しかける二階堂ふみ…と、なんだか現実に引き戻される感じがありました。このへんは予算の問題でしょうかね。

しかし全体的におもしろかったですよ。絶妙なバランス感覚で生理をエンタメに昇華していました。カーテンの演出とかもしっかり効いていて、まとまりも良い。男性も安心して見れる良作だと思います。

(しかし私は生理が軽い方ですが…軽くたって苦労はあるんだぜ!軽い人が悪者になっていてちょっと残念なのでした)