牛猫

スキャンダルの牛猫のレビュー・感想・評価

スキャンダル(2019年製作の映画)
3.5
2016年にアメリカのテレビ局FOX社で実際に起こったセクハラ事件の顛末を描いた話。

試写会にて。

セクハラ事件をテーマにしているとはいえ、ニコールキッドマンにシャーリーズセロン、マーゴットロビーと世代の違う3人のスター達の共演にはとてもワクワクしたし、華やかなエンタメ寄りの逆転劇なのかと勝手に思っていたら、とてもシリアスで衝撃的な内容に度肝抜かれた。

権力と立場を利用して好き勝手やりたい放題なCEOは本当に気持ち悪いし、その被害にあった女性たちが耐え忍ぶしかなかった組織の仕組みなんかもひたすらやるせない。マーゴットロビー演じるケイラが可哀想で見るに耐えなかった。
今回槍玉に上がることになったのは、たまたま華やかなテレビ業界にあるFOXだったわけだけど、このようなセクハラやパワハラなんかは国や業界を問わずありふれたものなのだろうと思った。
安倍首相のお友達で元TBS記者のレイプ事件とか、実際日本でも同じようなことが起こってるしね。

この事件では結果的に罪を認めさせて、勧善懲悪的な結末になってスカッとした終わり方ではあるけれど、告発されないまま、または告発したとしても握る潰されてしまっているケースがあることを思うと複雑な後味が残った。

観賞後のトークショーで宇垣美里さんがこういった映画をきっかけにして少しでも世の中が変わっていけばいいと思ったと言っていたけれど、本当にその通りだと思った。
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