ドント

ブルータル・ジャスティスのドントのレビュー・感想・評価

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)
4.3
 2018年。うう。元旦からすごいものを見せられた。パッサパサの貧困ノワールハードボイルドや。ムショから出たばかりの黒人青年、若干やりすぎて停職となった警官2人、あっさり殺りすぎな強盗ほかがじわじわと近づきついに、な150分強。
 あらすじだけ抜き出せば「100分でやんなさいよ」と言いたくなる犯罪映画であり、一見無駄な場面や会話劇がものすごく多い、のだがしかし、全編を通してみればこの間延び感のようなものが、どんよりした曇り空みたいな内容にしっくり来すぎて不要なシーンに思えなくなる。
 つまり、youtubeにある「映画の名シーン抜き出し」動画のように「ここが面白いですよ!」と切り出せないのだ。銃撃戦も緊張感のある場面もグロもある。でもすごい見せ場として成立させようとしていない。体温が一定して低い。しかし全体としてまったく緊張感を保って「映画」をやっている。これは無茶苦茶すごいことなのではなかろうか。
 救いがひとにぎりくらいしかないのに何故か大掃除が終わったかのようなさっぱり感がある。メルギブをはじめ出てくる役者もいい顔だらけだ。いやぁちょっとこれは俺が思う以上に大変な映画なのかもしれない。年間ベスト級だ(早いな)
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