このレビューはネタバレを含みます
オカマのルチャドール(ラ?)カサンドロの密着ドキュメンタリー。エクソティコとは賑やかしの色物レスラー。カサンドロは現在独立系レスラーらしい。
そう多くは映されない過去の試合のシーン、一目観ただけでカリスマと分かります。こんなの絶対売れるやん。体のキレがとんでもなく、オカマを全面に出したギミックでキレキレのルチャ・リブレ。
日本でも試合やったらしいですが、観たかった…。額を見るにデスマッチもこなしてきたらしい。ハードな経歴。
16mmフィルム(多分)で映される色味がメキシコの荒涼とした風景にとても合い、カサンドロ自身の魅力も余すことなく映されていました。笑顔が素敵。レスリングを始めた不純過ぎる動機も素敵。
試合シーンがもっと観たい、と思っていましたが、終盤の展開に至ってはとてもそんなこと言えない。カリスマの悲しいほどのタフさから垣間見えた弱さ。
プロレスという側面をはじめ、何重にも虚実入り混じる存在のカサンドロを美しく映し出した名作でした。