群青

モービウスの群青のレビュー・感想・評価

モービウス(2022年製作の映画)
3.2
2022年劇場鑑賞5作目。
字幕で。


最初の公開日は2020年7月。それがコロナのせいで延期の延期が重なり2022年の4月にやっと公開。
主演のジャレッド・レトにとってはスーサイド・スクワッドに続くアメコミ作品への出演。それにしても彼はもうアメコミ映画は嫌なのかと思った。
スーサイド・スクワッドで演じたジョーカーは尺を削がれ、作品自体の評価も悪かったので。それだけにモービウスのしかも主演とはビックリしたものだ。
しかしタイミング悪く、延期しまくりだったわけで、、、それはもう心中穏やかではなかったかと勝手に邪推してた。

しかも、公開してみれば絶賛というわけではないので、いよいよ彼はアメコミに出ないんじゃないかと心配に。


個人的にも、MCUスパイダーマンシリーズはあれだけ上手く作れているのに、今作にしてもヴェノムにしてもなぜクオリティに差があるのかと思ってしまう。惜しい作品。
逆に常に平均点は超えるMCUの手腕が凄すぎるのか…もしくはMCUはアメコミ映画含めた超大作系のクオリティのハードルを上げすぎたのかもしれない。


まあここからは好き加減だけどヴェノムよりは好き。
モービウスのバトルのエフェクトが好き。これに限る。
移動の残像的エフェクト、エコロケーションの音波のエフェクト。どれも中二心をくすぐられる。

オープニングとミッドクレジットのショッキングピンクを使った幾何学模様のデザインがかっこよかった。


主人公と病を共有する親友との関係性萌えも…良いがパンチが弱い気がする。
というかこれ含めて全体のパンチが弱い。
それは説明不足・説明下手、そして突拍子のなさが多すぎる。

タイリース・ギブソンのFBIの存在感が薄すぎる。なんのために出てくるのかよくわからない。主人公を知って味方になるわけでもなく、ただ追うだけ。物語にあまり作用しない。ついでに一度モービウスを捕まえるところ、どうやって追いついたかよくわからず瞬間移動しているように見える。さらにここでのモービウスも何が迷って動けなかったか分からない。
最後までストーリーが交わるようで交わらず。

ジャレッド・ハリスの主治医の存在感が謎。主人公の親友の世話をし続けているがそれだけ。こちらも物語にあまり作用してない。かと思いきや突然、重い荷を背負わされる。ラストバトルを始めるお膳立てのためにしかなっていない。彼の印象が薄いせいで主人公と親友の関係性萌えも中途半端。

主人公は主人公で、電車でのシーンで突如として能力が少し覚醒して危機を脱するが、なぜ覚醒したかわからない。
しかも同じようなシーンが中盤とラストバトルで2回ある。ラストもやっぱり覚醒する理由がよくわからない。

研究所に戻れない主人公がとある方法で仮の研究室を設けるが、そこの都合の良すぎる展開。お前らはどこで何をやってんだ笑


監督のダニエル・スピノーサの手がけたライフは今らしいA級作品っぽいテイストでB級をやってのけた快作で、70点満点の60点という良い意味での軽さがすごく好きだった。
今作はなんかうまいこと作用していない気がする…

勿体ないよー


しかしこの作品の一番のズッコケはオマケなので、そこはコメントでネタバレしておく。
何にしてもSONYはスパイダーマン系の権利を持っていることがどういうことか今一度思い出して欲しい。


好きなんだけどなぁ…
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