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ミッドサマーのチェックメイトのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.0
ポスターがきれい。
フローレンス・ピューの泣き顔と青空。
ヘレディタリー/継承の監督作品ということで期待したが残念ながらはまらなかった。
前作よりこわくなかった。

ホラーっぽいがホラーではないと思った。
意外と単純なストーリー。
ある事情で心を病んだピュー演じるダニーが恋人クリスチャンの友人の故郷スウェーデンのとある村の夏至祭で失ったものを違う形で得ることで再生するダニーの物語だこれは。

ただその祭りにおどろおどろしい設定することで監督独自の世界観をうまく作り込んでいるとは言える。
視覚的な美があり、伝承される魂(があるとされる)の儀式がある。
ただこの儀式の意味は村の長老格のオババなどが説明してくれるので衝撃的なシーンもそれほどブキミさが無いのだ。
そこがヘレディタリーとは根本的に異なる。ヘレディタリーは起こる事象の根拠がよくわからないので怖かったが儀式の大半は意味が提示されるのだ。

そして不幸な目に遭う人間は必ずヤメろということをやったヤツばかり。
だからヘレディタリーと違って不条理がない。自業自得を見せられても驚きはない。不可解もない。なぜならそれは文化だから(ということになっている)。

白夜の明るい日差しの中、白が基調の民族衣装と美しい少女たち。それとコントラストをつける惨劇。
それは演出として理解できるが延々と続くダンスとスウェーデン語らしい言葉によるアコースティックでハイトーンな歌声。とゆったりと進行する儀式。
それらをそこまで描写する必要あるだろうか。
冗長で退屈だ。
そこがいただけない。

前述したが惨劇も理由を説明してくれるのでわかりやすくてありがたみというか謎がない。

合点がいかないのはピューが納得いかないながらも村人たちに祭りあげられ挙げ句……。

これから公開予定のストーリー・オブ・マイライフでアカデミー助演女優賞にノミネートされたピューの演技は見るべきものあった。
でも映画はホラーっぽくなくて説明的で意外性が感じられなかった。
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