このレビューはネタバレを含みます
母親を事故で轢殺してしまったニマの、ラサ巡礼からの帰り道のお話。光量不足のような暗さでカットごとに色調がコロコロ変わり、折角の雄大な自然も魅力的に思えませんでした。
過去と現在を行ったり来たりしつつ、現在の帰り道、巡礼では心の傷が癒えていないという描写は面白かったです。五体投地なんて意味ない、というところまで深読みされかねないのでは。
疑問を感じる描写が多め。マフラーが絡んでバイクから落ちたところを轢いちゃったようですが、事故後の様子がとてもそうは見えない…。老人の消え方や、ニマが立ち直るところもよく分からない。
ニマの演技も残念でした。台詞は殆どないですが、仏頂面で拗ねてブスッとしてるようにしか見えませんでした。
描こうとしているものはとても面白そうで、もどかしくなりましたが、それでもテンポが良くて雰囲気は味わえた作品でした。