LalaーMukuーMerry

ホームステイ ボクと僕の100日間のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

4.3
ボクの名はミン、タイ、バンコクの17歳の高校生。理由は不明のまま死んでしまった。理由が不明なのは記憶がなくなったからだ。死んだのに記憶も何もなかろうと、突っ込まないでほしい。三途の川を渡るとき、当選したと閻魔大王に祝福され、こう告げられたのだ。当選した者は記憶をなくされ、その状態でこの世に戻される、100日間の期限の間に自分が死んだ本当の理由を探り当てれば、晴れてこの世に戻れる、と。
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ボクは病院から家に戻された。ボクの家は4人家族、父、母、兄とボク。 ボクの部屋はカギをかけて入れないようにされていた。兄は暗くて視線も冷たい、如何にも何かある感じ。父はあまり家にいない、母はボクを心配してくれるやさしい女性だった。僕が死んだどんな原因が、この家にあるのだろう?
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学校にも行った。ボクは応援部員だったことを知った。女子部員のリーという子がしばらく休んでいたボクを心配して話しかけてきた。パイも心配してるよ。パイというのは、1年上の勉強のできる可愛い子、ボクは彼女に図書館で定期的に勉強を教えてもらっていたのだ。なんだかハッピーな気分・・・。こんな学校生活にボクの死んだ原因があるのだろうか?
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思いっきりファンタジーチックに始まったが、ミッションがわかりやすく提示されたから違和感なく入っていけた。ファンタジーなのは最初だけで、記憶を失った人が過去の出来事の真実を探っていくという、ごく自然な物語だった。
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ダークミステリーのような雰囲気で始まり、胸キュンの青春ラブ・コメディ的な雰囲気の中盤、そして次第に絡まった人間関係と真実が明らかになっていく後半。ミステリー仕立てだけれど謎解きが目的ではなく、最終着地点の暖かいメッセージが心に残る作品となっておりました。
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「すれ違いのダイアリーズ」「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」で私の中で上がったタイ映画の株を、きちんと引き継いでくれました、という感じです。 ・・・と思っていたら、原作は森絵都の小説で、すでに日本でアニメにもなった「カラフル」だった。
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うーむ、全く知らなかった。これは失礼しました。