リコリス

フェアウェルのリコリスのレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
4.4
予告編で告知を軸にした東洋(家族・集団主義)と西洋(個人主義)の生命観や文化的差異を描いた作品…と思い込み、「ハッ!」に象徴される生きる芯みたいなモノを、大陸の祖母から受け継ぐ華僑の孫のヒューマン・ドラマだと初見では思ってた。

しかし、これ、ナイナイの現在で、ほっこりしたからだけでなく、むしろ余り日本じゃ知られてない中国地方都市の(といっても長春は吉林省の省都で、満州国の首都だったそうで、日本からの花嫁の扱いは、それなら気遣いあり優しいと思う)(因みに女優さんは中国語堪能だそう)ある意味、典型的中国あるある日常を楽しみながらビリーと一緒に体感する映画。

あの英語ベラベラの海亀族のイケメン医師や、やや線が細い印象のいかにも日本と繋がりありそうなハオハオ一家、なんだかんだで根っこは大陸的な太さがあるアメリカで暮らすビリー母、老いてますますパワフルで一家を仕切りB Fまでいるナイナイ、豪華さ派手さを狙うが今いちセンスが古めかしい(やはり地方的な)室内装飾や結婚式場や式のスタイル、美味しそうな料理…中国あるある感に満ちてて、また何となく(かつての? 都心じゃない今の?)日本とも共通点があって、何だか安らぐ。

中国やアメリカの大都市は、日本のいわゆる大都市が頑張ってもセンスや物量、スケールの桁も違うので、この地方都市「あるある」感は大都会から来たビリーのほうが、(都心で暮らすなら別だが)ワタシラより分かりにくいかも(笑)
リコリス

リコリス