へたれ

フェアウェルのへたれのレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
3.7
良かったとこ1 かつての邦画を見るような親しみやすさ
A24製作なのは分かった上で、どことなく一昔前の邦画を観るような親しみやすさがあった。
主人公のオークワフィナは、顔といい演技の引き出しといい、安藤さくらとほぼ互換性あったし、おばあちゃん役のチャオ・シュウチェンは、草笛光子と八千草薫の平均値みたいな顔つきで、演技的にも大体同じような系統。この2人の関係性はとても良かった。
加えて、墓参りや結婚式に対する異文化的なアプローチは、伊丹十三がやっていたような、奇妙な習慣に距離を置きつつ愛情はもって描く作り方になっていて、これも懐かしさがあった。

良かったとこ2 すべてウソで成り立っているストーリー
オープニングの電話からして思いやりのあるウソをみんなついているおかげで、ウソに対する西洋と東洋の文化的対立のような重苦しい話に陥りすぎないように工夫されているのが良かった。

ダメだったとこ 拍子抜けするラスト
観客をホッとさせたかったのかも知れないけど、そういうオチならそこまでフィクションの中で描けよと思った。これを家で見ていたら「何じゃそりゃ!」と全力で突っ込むレベル。
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