へたれ

TENET テネットのへたれのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.4
良かったとこ1 007風味のB級SF映画のノリ
アバンタイトルのスピード感ある撃ち合いからタイトルが出るまでの掴みが、全編中でも一番良かった。ここでカッコいいメインテーマが流れたらそのまま007になるようなノリ。
逆行の仕組みの説明があってからは、時折小難しい用語もちらつかせるけれど、基本的にはおバカSF的なトンデモストーリーなので、楽しんで見られた。高尚なSFを期待すると肩透かしで、むしろ大金をばら撒いたB級SF映画といった感じ。
この映画を観るのに必要なのは、IMAXではなくポップコーン。

良かったとこ2 ジョン・デヴィッド・ワシントンの身体のキレ
スーツで立った姿も良いけれど、近接戦になった時の身体のキレも良かった。「ブラッククランズマン」の時には気づかなかったけど、ここまでアクションができる人とは思わなかった。

ダメだったとこ1 キャラクターの希薄さ
ノーランが人物を描けないというのは今回も健在。特に今回は敵も味方も登場人物全員が背景が謎なので、行動の理由が全く分からない。取ってつけたような母子ストーリーも逆効果。

ダメだったとこ2 空間を活かせないアクションシーンの下手さ
特に終盤。時間軸が複雑なのは狙い通りだけど、それ以前に誰がどこにいるのかという空間認識が希薄なので、アクションが断片的にダラダラ続くのみで盛り上がらない。
予告編に出ていた空港のシーンでも、CGを使わずに頑張ったんだろうけど、位置関係が漠然としているため、サスペンスになっていなかった。
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