むぎちゃ

TENET テネットのむぎちゃのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.0
今まで一番かっこいいニールはドン・中矢・ニールセンだったけど、テネットにて見事更新されました。ありがとうありがとう。


まず思ったのはこの映画、ノーラン監督って看板がなかったら制作費落ちないしそもそも企画自体頓挫してるんだろうな~と…。
というのも、タイムパラドックスものは基本的にクライマックスにその映画の仕組みというか、わかりやすい解説があるものだけど、テネットは見事に観客置いてったよね。

ただ割りと序盤に、初心者向けのとあるガイドラインが明示されるんだな。
それこそがブルース・リー以来の『Don't Think. Feel』。(この台詞自体は言ってないけど笑)
銃弾ジャラジャラしてたシークエンスで「あっ、この台詞ってこの映画の見方のことだな」って思ったの。事前知識として、この映画は難しいってのは分かってたから。

それを念頭に置きつつできる限りは咀嚼してみようとしたけど、やっぱり考えずに怒涛の映像に身を任せる方が楽しいわ。
前提としてインセプションの時の『映像で最終ラインだけは強制的に理解させる』って手法はあるだろうと信用してたからってのはあるけど。


この映画は観る人全員に理解させようと作られていないのは明らか。
…じゃあ逆に言えば無理に理解しなくても構わないってことじゃん!

カーチェイスや赤組青組大運動会なんてきっと重要なカット沢山あったんだろうけど、もう観てて楽しいじゃん!
なんで赤組青組同時に同じ建物にAT4砲撃ち込んだのか分からんけど、あの爆破シーン最高じゃん!
つーか何よりニール最高にイケメンじゃん!
彼の言う数年における友情を想像したら…。はーっ!ごっそさんす!バットマン頑張ってくださいっす!


…ちょっと逸れたが、それに関連した事だけど、いにしえより云われている「映画は画面がでかけりゃ良いってもんじゃない」…って意見。
私もそっちのタイプだったが、この映画に関しては鑑賞環境がだいぶ重要だと思った。
理由は上記の事で、理解できないなら映像に身を任せるしかないから。
初見がレーザーIMAXで良かったと心底思う。


と、ここまでは長々と映像が凄いってことと話が難しいってだけを連ねてきたけど、そこ省くと少々問題が…。
※省く必要があるかはさて置こう。

映画的、というか映像的カタルシスが、やられたらやり返す倍返しな半沢直子ことキャサリンのダイブとラストのカットくらいしかないのはないのはちょっと物足りないかな。
理解できない観客にとっては映像全振りなエンタメ映画なんだから、その辺もちゃんとケアできてたらまじで今年ぶっちぎり1位になったかもしれないだけに、ちょい残念…。


そうそう関係ないけどさ、今作きっかけでノーランの過去作について触れてるレビュー結構あるけど、正直メメントもインセプションも別に難解じゃないと思うぞ笑
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