むぎちゃ

ジョン・ウィック:コンセクエンスのむぎちゃのレビュー・感想・評価

4.0
・おすもうさん>>>防弾スーツ>防弾アーマー
・かもしれない運転に銃撃戦勃発は含まれますか?
・安定の徹底した愛犬主義映画


「大阪での流血は無意味」
まさか本編中に反省会が行われるとは。構成だけ見たらマジでその通りだし。

大阪は大阪城のふもとに佇む六本木国立新美術館こと大阪コンチネンタルホテル。

正直もっとどちゃクソなニッポンを期待していたが、肩透かしするくらいちゃんとしていたな。押忍。
何より日本語を喋るキャラクターを日本人が演じていたのがかなりの進歩。
前回の「アジアンごときなら見分けつかんし日本語の発音がわかるコーディネーターもいないけど別にいいや笑」みたいなこともなかったな。特に台詞が多いキャラを名のある役者が担ったのも大きい。

ただ走るだけで照明の電力が不安定になる電車には舐めんなよとは思った。あそこだけテイストがアメリカン過ぎるて。


んで気付けばシリーズも4作目。相変わらず訳も分からず行き先のない列車に乗せられている気分。

ボンボンのチンピラが飼い犬を殺してしまったばかりにここまでで数百人の死体を生み出したわけだ。何というバタフライエフェクト。


このシリーズの素晴らしいポイントは、焼き直しみたいなアクションがないところ。
毎度毎度「なんじゃこりゃ!」ってアクションを必ず挟んできてくれる。
特に今作では「切る切符が足りないよ!凱旋門グルグル多発交通事故」「花火が吹き荒れるよ!俯瞰ショットショットガン祭」の出来がかなり良かった。
どれも味付けが濃すぎて前半のアクションを忘れてしまうレベル。


しかし今作に限った話ではないが、シリーズを追うごとに残念になっていくポイントはなんと言っても「ジョンウィックの神格化が薄れていく」ところ。

最早懐かしい1作目を思い返して欲しい。誰も彼もジョンを「あの伝説のジョンウィックが…?」と恐れ畏怖していた。
殺しのプロ、殺し屋殺し、彼を知りながら挑むは愚の骨頂、全てに死をもたらす使者。
あのジョンウィックを敵に回す事が如何に恐ろしいかがアクション以外の登場人物たちの態度で具に描かれていた。
それこそがジョンウィックという人物の説明になるし魅力になっていた。

それがシリーズを追うごとに「逃げ惑う殺しの対象」にどんどん変化していったのが残念。プロであるはずの同業者達が何の恐れもなく殺しにくるんだもん…。


アクション映画としては先述の通りの魅力を発し続けているからまだなんとか成り立っているが、やはりジョンウィックという「伝説感」が霧散しているのが悔しい。もっとみんな怖がれや!鉛筆で人殺すんぞ!


あとシリーズは今作で終わり?
宣伝では「最後」ではなく「最終章」って謳ってたからまだあるのかな?
むぎちゃ

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