mimitakoyaki

私が、生きる肌のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

私が、生きる肌(2011年製作の映画)
4.0
インフル感謝祭最終日に見ました。
アルモドバルの映画は好きなんですけど、まあなんせ濃いじゃやいですか。
面白いんだけどしんどいから、インフルでいろいろ弱ってる時のチョイスとしてはどうかと思ったんですが、そんなの後悔しても仕方がない。
しかも同じ日に「ペパーミントキャンディ」も見てるからかなり消耗してしもた…。

まあやはりと言いますか、アルモドバルの変態性が健在の、アルモドバル作品としては健全な一品でございました。
よくこんなの考えるよな!

交通事故で大火傷を負った末に亡くなった愛妻にそっくりの別人を作ったマッドサイエンティストがアントニオ・バンデラスですよ。
ほんとに濃すぎますよね。
このおっさんの狂気がヤバイんですよ。
焼けない強い人口皮膚づくりにかける執念もタブーを侵しててイケナイのですが、それがひとつもふたつも捻れててさすがです。

死んだ妻に瓜二つに作られたベラが何者かが明かされる後半からの展開も目が離せません。
狂気が3倍増しで、おっさんの拗らせた愛憎も、ちょっとどう捉えたらいいのかわたしのような凡人には難し過ぎる。

いやでも、アクの強いストーリーやベラの美しさや映像のスタイリッシュさに魅せられました。
さすがアルモドバルだなって。
おっさんのガラス張りの研究室も、屋敷も洋品店もお洒落、それにファッションも素晴らしく洗練されてて、そしたら衣装はジャン=ポール・ゴルチエが担当してたのですね。

細部まで行き届いた美しさと狂気。
期待を裏切らないおもしろさでした!

インフル治ったからまた仕事に復帰しましたが、映画三昧の貴重な時間を過ごせてちょっとラッキー♪
骨休めができました(インフルに罹っておいて骨休みもおかしいけども)。

18
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