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エッシャー 視覚の魔術師/エッシャー 無限の旅のalmosteverydayのレビュー・感想・評価

3.0
冒頭、タイプライターを打つ姿と共にエッシャー本人の言葉として語られる台詞が本作を象徴していると感じました。詳細うろ覚えですが「いつか私の作品が映画として語られることがあるなら、監督に適した人間は世界に一人しかいない。ー私だ」みたいな感じだったと思う。それはそのまま、本作の監督をはじめとする制作陣全員の本意なのではないかしら。最大の敬意と畏怖、そしてある意味ハナから白旗を上げてるというか、予防線を張ってるというか。

作品で使用されるCGはごく最小限に留められていて、それは2Dの時代にその限界に挑まんと試行錯誤を繰り返したエッシャーへの最大限のリスペクトなのかもしれないんだけど、本人の頭の中ではきっともっとずっと凄いイメージの断片が飛び交っていたんじゃなかろうか、って気がしてならないのです。2000年代の技術を以ってしてもそのぶっ飛んだ思考には追いつけてなさそう、というかそもそも追いつくための手段やプロセスを製作側が選び取ってなさそう。演出次第でもっとすごいワンダーに満ちたドキュメンタリーに仕上げることもできたんじゃないかと思います。

っつうかそもそも、本編よりもエンドロールのほうが派手って一体どういうことなんだよ。そこんとこちょっと残念。突然のジョゼフ・ゴードン=レヴィットにびっくり。
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