「チンパンジーですか？」「自画像です」
貧しい暮らしを送るギウ達一家は金持ちの家に取り入って逆転できるか？
半地下に家族で住むビジュアルはキツイ。便器の位置が高いのはなぜなんだろう。日本と似ていても韓国建築の不思議。作中に見える格差やお金の流れ、下は下同士で足の引っ張り合い。韓国に限らず世の中を風刺している。金は心のシワを伸ばすアイロンという言葉は興味深い。とても韓国的な半地下の家と、普遍的な貧富の対比を融合させて描いたのは見事。
登場人物は皆印象的。乗っ取りお父さんのソン・ガンホを始め、兄も妹もしたたかな顔と演技。
カメラワークや画角の取り方が面白い。移動して撮ったり敢えて見切れたり被らせたり、監督のセンスか。
兄が妹を呼び寄せる辺りがターニングポイント。家族全員の潜入成功まで上り詰め、危機へと転じ始めるのが丁度半分というバランス構成でわかり易い。
拭い切れない卑しさが悲しい作品。
