しろくま

るろうに剣心 最終章 The Finalのしろくまのレビュー・感想・評価

3.8
2022.08.04/156/図書館DVD
〝まもなく人誅の時間だ。俺にはお前に恨みを持つ同志がいる。そして、どんなことでも可能にする力がある。抜刀斎、俺がお前に与えたいのは、痛みではない。苦しみだ〟

剣心(佐藤健)への恨みを募らせる雪代縁(新田真剣佑)との壮絶なバトルが繰り広げられる本作では、巻町操(土屋太鳳)や瀬田宗次郎(神木隆之介)も参戦。アベンジャーズのような見応えのあるシーンの連続で、最終章にふさわしい見事なフィナーレに胸が熱くなる。原作と違う縁との決着の付け方だったけど、縁の長年の私怨を考えたらこれもありだね。

『The Final』→『The Beginning』の順で公開された点に監督は〝『The Beginning』が先、『The Final』が後のつもりで、撮影に集中し、編集し終えて冷静に考えてみると、シリーズも5年ぶりですから、僕だったら、前作のテイストを感じる『The Final』から観たいかなと。観客も僕と同じことを感じるのではないかと思ったんですね。『The Beginning』でシリーズを終えるのが『かっこいい』と思ったんです〟って言っているけど、縁が、何故剣心を恨んでいるかを説明するために、縁の姉の巴(有村架純)との回想シーンを流したいのは分かるけど、これって『The Beginning』のダイジェスト。巴がどうやって剣心と出会って、何故命を落としたのか、剣心の頬の傷についてもすべてネタばらし。このネタばらしが、実はミスリードで、驚愕の真実が『The Beginning』で語られるのならば『かっこいい』けど、『やっぱそうだね』と確認作業の『The Beginning』。なんてこった。パンナコッタ。やっぱ『The Beginning』→『The Final』が正解で、この順番で観ると、縁の怒りがよく分かるし、神谷薫 (武井咲)が語る巴の最期の行動の理由も腑に落ちる。
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