群青

るろうに剣心 最終章 The Finalの群青のレビュー・感想・評価

2.9
地上波なら録画で。

字幕で鑑賞。
だってこのシリーズマジで何言ってるか聞こえない時がありまして…


さて原作では大半が蛇足と言われている人誅編。みなさん京都編がバトルもありリベンジもあり集大成って感じですもんね。
しかし個人的にはこの人誅編こそが一番好きなんです。
なんでってそれはやっぱり剣心がなぜ剣心になったか、十字傷はなぜできたのかが描かれるからです。
それはこの作品のメインテーマであり、たくさんの人を殺めたるろうにの贖罪の話であるから。そして妻、巴と剣心の話だから。この話が本当に好き。

確かに敵方の魅力はほぼ縁に集中しており、十本刀みたいなやつはいないはいないが、それ以上に剣心が見つけるるろうにとしての人生の一つの答えというのがとても好きなんです。

しかしここで問題が発生する。
原作では人誅編の途中で過去の話をするため、映画でそれをやってさらに決着を描こうとするとどうしても尺が足りない。
そのため今作は縁との戦いをメインで描いて過去編は次作に持ち越し、という形式をとった。
これは方法としては全然良いのだが、描き方が良くなかった。
なにせ過去編はダイジェストで結構ガッツリやってしまっているのである!それじゃ興行的に次作の必要がなくなってしまうし、剣心の十字傷なんて重大な過去をあっさりやってしまってもいる。
ここはもう少しやり方があったのではないか…

なんなら完全に過去の描写は端折った方が良かった。
縁の真剣佑の縁起は良かったので愛した姉を殺された復讐鬼は十分表現できていた。
だから剣心周りのキャラを動かして、情報を伝えるべきだった。
過去に妻となった人を殺した、その妻の弟が首謀者、今回の動機は復讐、その復讐に応えるためにはるろうにとしてのけじめをつける必要がある、などなどを語らせるなり演出でやらなければならなかった。
せめて巴の顔は映さないで欲しかった。

しかも過去編をあっさりやってしまうしさらに剣心自身のけじめをちょっとわかりづらい。原作のように剣と心を賭して人生を完遂する、という答えは出していないため一番のテーマがなあなあになってしまっている。ただただ縁にそのやり方だけは違うと反対するのみ。巴について詫びを入れるだけ。
ええー…となるが最後の薫とのシーンでこれからも答えを探し続ける?って感じなのかと思ったけど、いやいや答えを見つけないと縁に勝てる要素がないしあああああ…
戸惑いました笑

過去の描写と剣心のけじめの部分がすごく惜しいがここに目を瞑れば現在の話はまあまあふつうに良かった。目を瞑った部分が一番好きな部分なんですが……それは目を瞑ることとしますウギギギギ笑

目を瞑ればまあまあ良かったんだけど、前作よりまして剣心の話に集中するので空気感の強かった左之助がマジで必要か?レベルで空気だし、空気の割にはうるさいから余計いらないと思ってしまった笑
縁以外の同志たちも外印と番神は1作目で出してしまったため、誰だお前?みたいなやつらになってしまっている。八ツ目と乙羽は結構ちゃんと描写されてるから十本刀よりマシか笑
蒼紫はのちの事件を偶然予期したのか途中退場。一応名言は放ちます笑
代わりに操がアクションに抜擢。これは演者の土屋太鳳が京都編の時よりスターになっているための抜擢かと。
薫はほんとヒロインとしての役割以外がない。実写の薫は剣心にくっついているだけで全然自立できてない…もう過去作で諦めていたのでスルーしてました笑

縁は先述の通り、復讐鬼として素晴らしかった。人誅編が実写化されると知った時から縁と巴を誰がやるのかかなり論争になったが(オレの中で笑)、ファーストルックから真剣佑やってくれたな!とびっくりしました。完全に縁。
倭刀術も完璧。飛天御剣流とは異なる流派というのがちゃんとわかったし、なんなら技っぽいのもやってくれていた。
二の腕の太さと狂経脈らしき筋もあって良き良き。
姉のことを語る様も執着や憎しみがこもっていて良い。比較できるアニメが縁は機会がなかったため(星霜編くらい?)これでやっと縁に会えて良かった。

剣心の佐藤健は…まあまあいつも通り素晴らしい。ただこいつがボソボソ喋るから字幕にせざるを得ないんだ…

アクションは相変わらず高水準。
雑魚敵が多かったけどまあまあ…いいかな。

とりあえず今作のMVPは真剣佑でした。
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