めっちゃ面白い。
マ・ドンソクという役者さんは初めて見たけれど、彼の当て書きの脚本なんだろうかと思う程のハマり具合。
冒頭にサンドバッグを叩く一連のシーンがとても良くて、彼の肉体的な強靭さや強さを紹介する場面かと思いきや、予想を上回る暴力性と残虐さが分かるところで一気に引き込まれた。
さすが韓国映画。裏切らない。
元々（フィクション上では）ヤクザと警察はよく似てる部分があり、かつ韓国映画では刑事はガラが悪すぎてチンピラと区別がつかないという描写が多いが、これが良く活きている。
途中ホワイトボードの写真や地図を前にチョン・テソクが説明する普通の捜査会議なのに、聞いてるのがヤクザという場面に笑ってしまった。警察での捜査会議だったとしても全く同じ絵面だっただろうし、むしろスーツではない分 刑事の方がガラが悪いだろう。
ヤクザと刑事が一緒になって廊下をこちらに向かって歩くキャッチ―なシーンが決まってる。期待通り。
以下ネタバレあります。
とにかくマ・ドンソクの魅力炸裂。
「強面だけどなんか可愛い」というありきたりの感想をギリギリ持てないぐらいの悪さが絶妙。気まぐれに女子高生に傘を渡したら、そのせいで殺されてしまう。柄にもない事するからだよ。
不良が捨て猫を拾って読者がときめくような、平凡な「実はいい人」に収まって欲しくないというこっちの期待に応えてくれる。
彼は女子高生が殺されたと知って事務所総出で狩る姿、腹心が殺されてドアごとぶちのめす姿こそ似合っている。
終盤の展開も予想を超えていてとても良かった。
最終的に犯人を手に入れる競争に負けた身として刑事の土俵に協力してやる。その時の「極道者は自分を刺したやつの顔は絶対に忘れない」という言葉の説得力よ。決して感情的になることも無く、淡々と大物ヤクザであることの重みを出してくる姿が渋い。
そして、法の範囲外にいる彼にしか出来ないやり方もある。彼が護送車から降りてニヤリと笑った時、多くの視聴者も同じように笑ったのではないだろうか。私も暴力の期待にニヤリとしてしまった。
その他
・マ・ドンソクがゴツイ大友康平、刑事チョン・テソクは中尾明慶をイカつくした感じ、犯人は伊勢谷友介と落合トモキを足したような容姿。リメイクしやすそう…
・ハリウッドリメイクも決まってるとのことだが、アメリカだったら最後に握手させそう
・いざマ・ドンソクが犯人を殺そうとした時に刑事に車で跳ね飛ばされたシーンは思わず笑ってしまった。容赦ナッシング
・しかしみんな頑丈だね
・wikipediaのマ・ドンソクのページに乗ってる写真が、マイク両手持ちで可愛い
