タスマニア

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のタスマニアのレビュー・感想・評価

4.0
2022年24本目。

個性豊かで愛すべき登場人物たちを、びっくりするような超豪華俳優陣が演じていて、映像的な情報量の多さに嬉しい悲鳴をあげそうになる。

その一方で、オムニバス的に描かれる各ストーリーの詳細を追えなくても、華やかな建物のデザインや目を引く映像的な演出だけで全然楽しめちゃうような、アート映画的な要素はさすがウェス・アンダーソン!
「グランド・ブタペスト・ホテル」とかも、結構グロテスクでしんどいお話なのに、「色合いや見た目が可愛い」という理由で好きな人が多い事実が当時はすごく疑問だった。
だけど、この映画ではそのビジュアル面の楽しさがすごく分かった。
「ダージリン急行」とかも当時は全然理解できなかったけど、見直してみようかな。。。

フレンチ・ディスパッチの記者たちが綴ったお話はどこか "面白可笑しいお話" にも見えるんだけど、ある人の "想い" や "願い" がふとしたときに顔を見せて「キュン」とさせられるもので、すごく良い。
単発でもまた見たくなる良さ。まぁ、それぞれ演じているキャストが豪華で華々しいというのも結構あるけど。

個人的には「警察署長の食事室」のエピソード内の終盤のカーチェイスにおける大男の描写に一生笑ってた笑
なんかツボにハマったのか、ゲラゲラ笑いたいところを息を殺してた感じ笑
アニメーションに変わったのがまたズルいんだよなぁ。
しがみついている車が急ブレーキしたときの慣性で、吹き飛ぶところとかめっちゃシュールだわ。すぐに復活してくるし。

それにしても、キャストが豪華。とりわけ、自分好みの俳優さんが多いというか。
特に前情報を全く入れてなかったもんだから、ひたすらに「おぉ!」という驚きと感動を与えてくれた。
とりわけ、ティルダ・スウィントンが出てきた時は思わずガッツポーズ。
あと、ウィレム・デフォーね笑
ウィレム・デフォーだけは何故か「デフォーおじさん出てるやん!」といった、なんか親戚のおじさんが出てきたような嬉しさがある。謎。
エドワード・ノートンが出てきたとき、そして、その使い方にもある意味驚いた。後々調べると、結構ウェス・アンダーソンの映画出てるのね。

ただ、一方で個人的に非常に悔しいことも。
シアーシャ・ローナン。。。
「あまりにもチョイ役であること」が悲しいのでも悔しいのでもない、全然気づけなかったことが悔しい笑
呑気に「めっちゃ綺麗な目してるなぁ」なんて思ってたけど、道理で!
「好きならば、"目" で気付かなきゃ!」という自戒。

とにかく、すごく心を満たされる満足度が高い映画だった!
「どのお話が好きか?」という観点と「どのキャストにアガったか?」という観点の両方からも、色々な人と語れそうな映画。
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