サスペンスはやっぱりグイグイ感なのだ!
視力を失った元警察官・なつめ(吉岡里帆)が、ある事件に遭遇することからはじまるサスペンスに冒頭から引き込まれる。話しの進み方にスピード感がある、テンポがいい、などという表現もできるけど、やっぱりグイグイ感という言葉を自分は押したい。なつめはどうなってしまうのか?犯人は誰なのか?動機は?という興味にスクリーンにグイグイ引っ張られるような面白さ!やっぱりサスペンスはこうでなくっちゃ!
目が見えないというキャラ設定ゆえのセンシティブな推理、犯人との追跡劇といアイディアはよく生かせていて面白い。だけどこの映画は、そのアイディアだけで終わっていない。グイグイ感はそれだけじゃない。
といっても、脚本なのかカット割りなのか演出なのか、どこがどうすごいか自分の理解力では表現できない!でもセンスがいいんですよねえ。
よくホラー映画をとれば作り手の実力がわかる、なんて映画の世界ではよくいいます。元ネタの映画からどこまで引用したのか、日本版の作り手がどうしたのかはわかりませんが、この映画とにかく作りがうまい!きっと、サスペンスも作り手の実力が反映されるものなのでしょう。
もちろんジャンルに限らず映画はすべからくそういうものとも言えるけど。まあしかし、改めて映画ってストーリーが全てじゃなくて、作り手のセンスでいかようにもおいしくできるということを感じる。
そしてたどりつく結末はありがちといっちゃーありがち。だけど全然心配ないです。たとえば、なつめとコンビを組む高校生の春馬(高杉真宙)が登場した時点で、最後はこーなるんでしょ?と予想できる。映画オタの観客は「どーせこーなんでしょ?」と思いながらみることもあるだろうけど、「どーせこうのはず」から「いや、もうそれをみせてくれ!頼む」にこの映画はなっちゃうはず。やっぱ映画は結末じゃなくて、いかにそこにたどりつくかなのだ。
素晴らしいサスペンスでした!グイグイ!