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レ・ミゼラブルのkazu1961のレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
4.0
▪️Title : 「レ・ミゼラブル」
Original Title : 「Les miserables」
▪️Release Date:2020/02/28
▪️Production Country: フランス
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-091
▪️My Review
この作品も壮絶、衝撃的な作品ですね。『レミゼラブル』で知られる街モンフェルメイユを舞台に、フランスにおける社会格差、人種問題を痛烈に描いた作品です。この作品も観終わった後にはなんとも言いようのないモヤモヤが残った感じがします。
“ミゼラブル(悲惨)”なこの現代を描く、権力者と民衆の直接対決から生まれる猛烈なエネルギー。ほんとそんなパワーを持った作品です。
世界各地で起こる、デモや暴動。引き金となるのは、権力に抑圧される人びとが抱く政治や社会への不満です。本作は、現代が抱えるそうした“ミゼラブル(悲惨)”な世界の縮図が描きだされているんですね。
物語は、犯罪防止班に配属された新人警官のステファンと同僚たちが、ある少年の引き起こした些細な事件をきっかけに、やがて取り返しのつかない事態へと陥っていく様を、緊張感あふれる映像で描いています。
巧みな演出で突きつけられる現実をほんと見事に描いています。ラスト30分の緊迫感。そして衝撃のラストシーンは、私たちに何を問いかけるのか?本作の最も狂気的、かつ是非論的な局面に到達します。黒人の少年は最後どう行動したのか??その解釈によっては悲惨さは変わったものになりますね。。。
監督と脚本を務めたのは、映画の舞台のモンフェルメイユで生まれ育ち、いまもそこに暮らす、ラジ・リです。初の⻑編監督作品となる本作では、自身がモンフェルメイユで体験してきた出来事を、緊張と洗練を湛えた映像で描いているんですね。
結果、本作は『パラサイト 半地下の家族』と並んでパルムドールを競い、審査員賞に輝いきました。そして、名匠スパイク・リーもその才能を絶賛し、アメリカにおけるプロモーションのサポートを買って出るほどなんですね。

衝撃的な見事な作品。
▪️Overview
ビクトル・ユゴーの小説「レ・ミゼラブル」で知られ、現在は犯罪多発地区の一部となっているパリ郊外のモンフェルメイユを舞台に、現代社会が抱えている闇をリアルに描いたドラマ。モンフェルメイユ出身で現在もその地に暮らすラジ・リの初長編監督作品で、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。第92回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートもされた。(参考:映画.com)

出演は、ダミアン・ボナール、アレクシス・マネンティ、ジェブリル・ゾンガ、ジャンヌ・バリバールなど。
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