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マティアス&マキシムのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
4.3
【一言で言うと】
「予期せぬ“めざめ”」

[あらすじ]
親友同士で30歳のマティアスとマキシムは、友人が監督する短編映画でキスシーンを演じる。その口づけをきっかけに、二人は今まで封印してきた相手への思いに気付き始める。婚約者のいるマティアスは親友への思わぬ感情に戸惑い、マキシムは長年の友情が壊れることを恐れていた...。

同性愛について描きつつも、それだけに囚われていない、独特の距離感を保ったような作品だと感じましたね🤔

やはりグザヴィエ・ドラン監督はこういった事案に身近だからこそ、普通“ではない”愛の形に対してリアリティに接することが本当に上手い。
まだ今作を含め3本しか彼の作品を観ておりませんが、いやはや彼の抱くテーマに寄り添って描く手腕は流石としか言いようがないです😲

まずマティアスとマキシムの友人から“恋”に発展するまでの過程が自然で何の抵抗もなくスッと入り込めました。
そこからマティアスとマキシムの関係が近づいたり離れたりして、結局はどうなるんだろうか?と思ったら最後の最後で思いの丈を爆発させる展開は思わず(なるほどな…😌)ってなりましたね( ͡° ͜ʖ ͡°)

それに2人を取り巻く友人達もなかなか変わっていて、それでいて何気に友達思いっていうところがとても友達関係の真核を捉えていて良かったです😊
特に喧嘩した直後に謝って仲直りするシーンはこれでこそ友情なんだよなって、改めて思いました。

それからドラン監督お得意の画面比率イジりは健在で、その切り替わる瞬間がこれまたニクいんですよね〜😏
センスがありまくりで(^◇^;)
確かにストーリーでの共感性は少ないけど、こういった場面でしっかりと魅せてくるから...ズルいんですよね〜(~_~;)

とにかく今までのドラン作品の中でも恋愛観というのが繊細に描かれており、その中で起こる友情と恋愛への変化の“ズレ”というのをじっくりと写していたと感じました。
まぁ逆に繊細に描かれすぎて観てるこっちとしてはちょっとモヤモヤするんですけどね(^_^;)...

でも、こういったモヤモヤこそが同じ同性を愛する上での一番身近な体験なのかな..と思ったり。

それでもドラン監督はそこを貪欲に描くのではなく、遠回しに尚且つストレートに描いたのは、やはり彼が“成熟”した証拠なんでしょうね😌...