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シチリアーノ 裏切りの美学のskm818のレビュー・感想・評価

3.7
登場人物が多すぎて特に序盤は話の流れと人間関係がよくわからんが、裁判所で皆が騒いで裁判長が何度もキレるの面白すぎ。コーザノストラの一員だったトンマーゾ・ブシェッタが親兄弟や友人まで簡単に裏切ったり手にかけたりするような今どきの組織のやり方に嫌気がさして自分の逮捕をきっかけにかつての仲間たちを告発して、そしてどうなったかというのが大筋。告発の調書を取った判事のことをトンマーゾは敬愛するようになり、彼が殺されたことを知って再びの告発のために戻ってくる。復讐から身を守るためもあって彼は米国で暮らしているけど、もしものことがあるから気は休まらない。そしておそらくかつての仲間を告発はしても、シチリアのあるべき姿のコーザノストラの一員であるという矜持は一生あるのね。今はやたらと残虐な方法で気軽に人を殺しているが、かつては標的を仕留めるのに周囲を巻き込まないよう配慮を払って場合によっては何年も時間をかけた。まあそれだって殺人には違いないのだが、彼らなりのモラルってのはあったのだろう。それが彼の誇りだったのだろう。最後の回想場面はそういうことだと思う。それはともかく米国ってスーパーマーケットでライフル買えるんだなあ…
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