Oto

マイリトルゴートのOtoのレビュー・感想・評価

マイリトルゴート(2018年製作の映画)
4.0
SSFF映画祭。映像表現、社会性、ストーリーどれをとっても一級品。卒制だと聞いたけど恐ろしい才能。切り開かれた腹の中を覗く顔のショットから始まる映画って見た事ないよ。。

車×モルモット、人×ヤギのような、もふもふな動物との合体にフェチを覚える作家なんだなぁ。庵野さんが欠けたロボットにフェチを感じると話していたけど、ヤギたちの皮膚のアザや眼球を見て同じことを思ったりした。痛々しいだけじゃなくてすごく脳裏に焼きつく。

宮崎駿が、アニメというフィクショナルな表現を選ぶ以上、実写よりもケの芝居を意識して日常の世界と結びつける必要があるという話をしていたけど、父親の登場によってグッと自分のいる世界に引き戻される感じがして、なるほどこれが現代の童話なのかと思ったりした。虐待と過保護を同時に描くというのも鋭い。

粘液に包まれているヤギたち、森と水辺、鏡の使い方、狼に変わる人間、合体ロボ...。ホラーとコメディが近いところにあるとはよく聞くけど、表現一つをとっても未知で他に似ないものを生み出そうという意思をビンビン感じて圧倒される。
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