kuu

善きサムからの贈り物のkuuのレビュー・感想・評価

善きサムからの贈り物(2019年製作の映画)
3.0
『善きサムからの贈り物』
原題 Good Sam
製作年 2019年上映時間 90分
究極のメッセージそれは、優しさと人間性。
平均的なプロット、平均的な演技ながら今まで見たこともないようなコメディ作品です。

ニューヨークでお金が必要な人たちに匿名で大金を届ける人物が現れる。その真意に疑問を抱いた女性記者が、人物の正体と動機を探り始める。すると、彼女にも思わぬ幸運が訪れる。

他のミステリー映画と同様、今作品は筋書きのひねり方が楽しい。
前半の10分で、グッド・サムの正体が簡単にわかると思い込んでいた。
後半になると、予測はつき意外にも驚かない自分がいた。
それは、優しい心の持ち主ほど、その行動が静かで、それゆえに見過ごされてしまうということを象徴しているからかもしれない。
今作品は、Netflixの作品の中でも、より多様性に富んだ作品のひとつと感じます。
主要登場人物のほとんどが有色人種で、形ばかりのモノや、肌の色に左右されることなく、キャラを形成している。
脇役たちもそれぞれ重要な役割を担っているかな。
世間が人間性を認識する上で、ジャーナリズムが果たす役割をこっそりと探っている今作品。
現実の多くのテレビ局がそうであるように、ケイトのテレビ局も視聴率にこだわっている。
日本でも同じフジテレビの昼の情報番組『ポップUP!』について、早くも年内での打ち切りが決定したと報じてたもんなぁ。
犯罪、事故、殺人などのストーリーは視聴率が高くなる傾向があり、そのため地元のテレビ局はそれらのストーリーを取り上げ続ける。
日本でも裏番組『情報ライブ ミヤネ屋』はヘタうっても生き残ってんのはその辺りやろ。
『ポップUP!』は下らん俳優を司会に持ってくる時点であかんの、なんで気がつかんかったのか。
しかし、今作品の中でケイトは、テレビで絶望やドラマの話ばかりを見ていると、自分の家の裏庭には善よりも悪が蔓延ると思うようになる。
と、こないな正論を述べている。
ケイトの善きサマリア人の物語がチャンネル12ニュースに史上最高の視聴率をもたらし、テレビ局が希望と奇跡の物語を共有すれば、人々はチャンネルを合わせ続けるという主張を展開している。
今作品は、無私の寛容さについて、興味深く、現実的な議論を始める。
見返りを期待せずに善行ができない人と、公共の利益のために何かをしても信用を得ることさえ拒否する人、その両面を描いている。
しかし、日常生活では、悪いことをする人よりも良いことをする人の方が意外に多いのが現実、そう信じたい現実。
それは小さい善意ながら。
個人的には可もなく不可もなくでした。
kuu

kuu