みや

チャーリー・セズ / マンソンの女たちのみやのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

1969年8月に女優シャロン・テートの惨殺を含める複数の殺人事件を起こしたカルト集団マンソン・ファミリーの女性3人が、獄中で過去を語るサスペンス。

被害者側の視点である『ハリウッド1969 シャロン・テートの亡霊』を観てから、こちらを鑑賞。『ハリウッド1969』と繋がっているわけではないのだが、色々な疑問が解けた。マンソン・ファミリーについて多少の知識はあったものの、こうしてじっくり内情を聞くのは初めてで、大変面白かった。

脅しや暴力ではなく、優しさと温かさで人を支配する。社会から外れた人同士が互いを許し合い、新しい名前を与えられ、自分を認めてもらえる。ここは「家」で、彼らは「家族」。
なぜ彼らが見知らぬ人々を残虐に殺せたのか。たった2時間の映画なのに、それが痛いほどに納得できてしまった。
誰かを絶対的に「信じる」のは、自分で考えなくて済むから、きっと一番楽なんだと思う。「洗脳」の居心地の良さと怖さを同時に感じた。「洗脳」が解けてしまうことの怖さも。

全体的に地味で単調ながらも、チャーリーや仲間たちを愛し、事件から三年が経ってもチャーリーを信じ、そして次第に疑いを抱き始める女性たちの心の揺れが絶妙に伝わってきて素晴らしかった。
最後、バイクに乗ってアジトから離れていくifの過去が切ない。
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